21日の金環日食を利用して太陽の大きさを測定した国内の天文学者らは24日、太陽の半径は69万6010キロ・メートルだったと発表した。 誤差は20キロ・メートル前後で、史上最高の精度だという。 太陽は光が強いため輪郭の位置を観測しにくく、国際天文学連合は、太陽半径を大雑把な値として69万6000キロ・メートルと定めている。 測定には、太陽と月の縁が重なったときに月表面の凹凸から光が漏れる「ベイリービーズ」という現象を利用した。日本の月探査衛星「かぐや」による月表面の地形データも利用して、太陽の縁の位置を精度よく求めた。 太陽の大きさは変動しているという説もある。今回求めた半径は、観測に成功した国内11か所のうち2か所のデータを利用したが、国立天文台の相馬充助教は「他のデータも入れて計算すれば、さらに精度が高まる。今後も日食のたびに大きさを計算し、太陽の大きさがどう変動しているのか確かめたい」