政府が来年度からの実施を予定している無年金者対策で、新たに年金を受給できるようになる人が計約六十四万人に上ることが分かった。年金の受給に必要な加入期間(受給資格期間)を現行の二十五年から十年に短縮し、早ければ来年秋に支給が始まる見通し。必要な国費は年間約六百五十億円。 政府は二〇〇七年の調査に基づき対象者を約十七万人と推計していたが、新たに試算し直した結果、団塊の世代が年金受給者になるなどしたため増加。必要な国費も当初想定の年間約三百億円から倍増した。 厚生労働省は秋の臨時国会にも関連法案を提出し、既に提出している別の年金制度改革法案と一括で成立させたい考え。しかし、消費税の増税が予定される一九年十月までに必要なつなぎの財源はまだ確保できていない。財務、厚労両省の調整は難航しているため、法案提出は遅れることも予想される。