(英エコノミスト誌 2013年6月8日号) レジェップ・タイップ・エルドアン首相は、トルコの街頭に繰り出したデモ隊を蹴散らすのではなく、その声に耳を傾けるべきだ。 催涙ガスが漂うタクシム広場で、互いに助け合いながら前進するデモ参加者〔AFPBB News〕 頭から血を流す人々、催涙ガス、高圧放水砲――。その光景は、カイロやトリポリといった、非人道的な独裁国家の首都にしか見えない。 だが、これはカイロのタハリール広場ではなく、欧州最大の都市にして民主国家トルコの商都であるイスタンブールのタクシム広場の光景なのだ。 この抗議活動は、アタチュルク以降最も重要なトルコの指導者、レジェップ・タイップ・エルドアン首相に対する不満の高まりを示している。暴動は野火のようにトルコ全土に広がった。これまでに4000人以上が負傷し、900人以上が逮捕された。3人の死者も出ている。 反政府デモのきっかけになったの