昨日の記事の続きです. 重症脳梗塞でウチの病院へ搬送された70代女性の患者さんですが, この患者さん,高度の肥満があるにも関わらず,血液検査で蛋白質が低いということがわかりました. 肥満とは「体脂肪が過剰に蓄積した状態」ですが,脂肪は本来飢餓に備えて貯蔵してある予備のエネルギー源と言えますが, 全身の栄養状態が悪いにも関わらず,脂肪がエネルギーとして利用されない矛盾した状況になります.これは「新型栄養失調」と呼ばれ,近年注目されています. これはまさに糖質主体の食生活により蛋白質の摂取量が不足して生じる状態です. 血液検査で体内での蛋白質の状況を把握するにはいくつかの方法があります. 一つは「総蛋白」という項目で,もう一つは血液中に存在する蛋白の中で最も多く存在する「アルブミン」という項目です.通常血液(血清)中にある蛋白質の50~65%を占めています. このアルブミン,実は臨床的にかなり