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牙と自作に関するoukastudioのブックマーク (5)

  • 牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 3

    相手は、狭いところでは思うように動けないことを悟ったか、間接攻撃に切り換えた。次から次へと火の玉を放ってくる。 よけることでいっぱいいっぱいの蓮たちは、対応することができない。周囲は火の海になりつつあった。 「華院、このままじゃやばいぞ!」 「言われなくてもわかってる」 ――美柚は。 よけるのではなく、ものの見事に拳で消し飛ばしていた。立ち位置にまったくブレがない。 「…………」 「こっちは任せて!」 「……任せた」 自信満々に言う美柚にかけるべき言葉が思いつかず、ただ素直に答えた。 ――どうするか。 相手の性質からいって、きっと完全に倒さないかぎり再生して戦いが長引くだけ。 ――無尽蔵の霊力か。 現実には有り得ない。しかし、通常の攻撃では元に戻ってしまう以上、一気に叩くしかなかった。 「おい、いけ好かない奴」 「東賀だ。東賀 甲一」 「〔東一〕、一瞬でいい、奴の隙をつくれ」 「変な呼び方

    牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 3
  • 牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 2

    「おい、あの扉はなんだ」 「は?」 蓮の視線の先には、積み上げられたダンボール箱の後ろに確かに片開きの扉があった。 「え? 何? 何もないじゃない」 「はあ? 見えるだろ、ダンボールの陰に」 「陰って、後ろには壁しかないけど」 その答えを聞いて、すぐに気づいた。 ――幻術か。 中身が空のダンボール箱を取っ払い、スペースを確保した。 「ちょっと! 片付けるほうの身にもなってみなさいよ!」 「いいから見てろ」 美柚の非難もどこ吹く風で、蓮はおもむろにドアノブを掴んだ。 その瞬間、わずかな破裂音とともに風が渦巻いた。 「どうだ?」 「……扉が現れた」 ――やはり、そうか。 この眼鏡は、霊的なものを問答無用で押さえつけるだけでなく、〝キャンセリング能力〟もあるようだ。 装着者が霊的な存在を感知できないかわりに、術による幻などの影響も受けない。 場合によっては、これは使えるかもしれない。 「あ、でも

    牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 2
  • 牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 1

    麗々先生の緊張感がありすぎる授業がようやく終了し、教室内にほっとした空気が流れる。 相変わらず集中攻撃を受けた蓮はぐったりと倒れ伏し、もはや声を発する気力さえなかった。 ――俺はきっと、ここで過労死するに違いない。 そんな確信めいた予感を覚えながら、これから先のことを思う。 得体の知れない学校、そこに集う得体の知れない者たち。 自分だって人のことは言えないのだが、ここはあまりにも尋常ならざる存在が多すぎる。 ここ数日だけでも、いったいどれだけのことが起きたか。このクラスだけを見ても、不審人物は複数いる。 自分こそが最大の不審人物だという自覚のないまま蓮が上体を起こそうとしたとき、首筋にすさまじい悪寒が走った。 「華院れぇぇぇん」 「ぎゃーっ」 強烈な冷気を感じて振り返ると、前髪の長い男がよく冷えたペットボトルを右手に握っていた。 「『ぎゃーっ』っていい悲鳴……ぷっ」 こちらのことなどお構い

    牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Watchdog of Underworld 1
  • 牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Memories

    男には不似合いなブレスレットが、右腕で輝いている。 これを見るたび、昔の思いが鮮烈なまでに甦る。 後悔、怒り、そして――哀しみ。 取り戻したくても、取り戻せるはずもない過去。 いっそすべてを忘れてしまえたら楽なのだろうが、そんなこと許されるはずもない。 自分が許さない。 それは、許容される範疇を遥かに超えていた。 ――俺は、いつかかならず―― 「先生――」 遠くで声がする。かすかに意識の平面に乗るかのように。 「鈴木先生」 はっとして顔を上げると、隣の席の夏目 戒がこちらを不思議そうに見つめていた。 「――あ、ああ、夏目先生ですか」 「すみません、集中なさっていたのに邪魔をしてしまったみたいで」 「いえ、ちょっと考え事をしてただけなんですよ」 鈴木 勝俊が無意識に右の手首を触っていることに、戒は目ざとく気づいた。 「それ、ブレスレットですか? けっこういい水晶使ってますね」 「ええ。昔、あ

    牙 - kiva - - Chapter 2 episode: Memories
  • 牙 - kiva - - Chapter 2 episode: New Comer

    寒い。 まだまだ上着がなければ厳しい季節だというのに、校庭に立つ生徒たちはすべて半袖にハーフパンツだった。 「今日も元気に行きましょー!」 周りのテンションが異様に低いのにも構わず、女体育教師の忠野 真里はひとり元気よく右手を上げてなどいた。 風が吹くたびに生徒が震える。寒がりの多い女子生徒の間からは怨嗟ともとれる不満の声が上がっていたが、男子生徒の中に文句を言う者はいなかった。 真里は薄着だった。自身も薄手のTシャツにショートパンツというラフすぎる格好で、その豊満な肢体、そして白い肌を惜しげもなくさらしている。 男子として文句があろうはずもなかった。これくらいの寒さ、耐えて当然だ。 目の前では、真里がはしゃぐたびに豊満な胸が大きく揺れていた。 「さ、寒すぎる」 当然ながら女子にはそんなことは関係なく、皮下脂肪の比較的少ない生徒たちはただただ寒がっていた。髪をまとめ上げた美柚もそのひとりだ

    牙 - kiva - - Chapter 2 episode: New Comer
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