芦山を先頭に、それぞれがつま先に重心を移す。 ――もう、 一斉に動きだした。 ――やるしかねえ! 迷わず、秀真を鞘から解き放った。 相手の霊力が膨らみきる前に斬り伏せるべく、みずからも相手に向かって跳んだ。 こちらの一撃をまともにくらえば、その誰もがただでは済まないだろう。しかし、もはや選択の余地はなかった。 一気に広がった秀真の赤い霊光が、相手をからめ取るように包んでいく。それでも、芦山らに怯んだ様子はまるでなかった。 ――恨むなよ。 迷わず、愛刀を思いきり振り下ろした。 覚悟を決めての一撃であったが、しかし、それは芦山の横をすり抜けていった。 「何っ!?」 相手の速度は想像以上だった。先ほどまで、その霊力によるパワーにばかり意識が向いていたため、〈過増幅(オーバーブースト)〉された速さを測り間違えてしまった。 側面に回り込まれたときにはもう、相手が不気味に揺らめく霊気の塊――霊弾を両手