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2013年1月27日のブックマーク (2件)

  • 牙 - kiva - - Chapter 3 episode: Slasher Has Come 3

    芦山を先頭に、それぞれがつま先に重心を移す。 ――もう、 一斉に動きだした。 ――やるしかねえ! 迷わず、秀真を鞘から解き放った。 相手の霊力が膨らみきる前に斬り伏せるべく、みずからも相手に向かって跳んだ。 こちらの一撃をまともにくらえば、その誰もがただでは済まないだろう。しかし、もはや選択の余地はなかった。 一気に広がった秀真の赤い霊光が、相手をからめ取るように包んでいく。それでも、芦山らに怯んだ様子はまるでなかった。 ――恨むなよ。 迷わず、愛刀を思いきり振り下ろした。 覚悟を決めての一撃であったが、しかし、それは芦山の横をすり抜けていった。 「何っ!?」 相手の速度は想像以上だった。先ほどまで、その霊力によるパワーにばかり意識が向いていたため、〈過増幅(オーバーブースト)〉された速さを測り間違えてしまった。 側面に回り込まれたときにはもう、相手が不気味に揺らめく霊気の塊――霊弾を両手

    牙 - kiva - - Chapter 3 episode: Slasher Has Come 3
  • つばさ - *

    森の動物たちが、急に落ち着きをなくしはじめたのはいつの頃からだったろう。 動揺は徐々に徐々に高まっていき、やがてそれが頂点に達したとき、一気に静けさが戻った。 だが、それは静かというよりは、不気味なほどの沈黙であった。 リゼロッテは、この雰囲気をよく知っていた。 嵐の前の静けさ。 大騒動が起こる前の、一瞬の静寂。 部族が壊滅したあの日のことを思い出す。 女の族長に率いられた戦好きの部族が、こともあろうに集落を直接襲った。なんの準備もしていなかった自分たちはあっという間に狩られ、生き残った者たちも完全に散り散りになってしまった。 その日、赤き翼のクー族は世界から消えた。 ――あのときと同じだ。 あの〝匂い〟が、今まさに漂っている。戦に慣れていない自分にとっては、それだけで胸が締めつけられそうになる。 このまま森に留まっていたほうがいいのだろうか。 しかし森は、どの翼人にとっても故郷であり庭で

    つばさ - *