「ベアトリーチェたちはどうしてる?」 「さっきの場所で待って――ああ、いたいた」 前方の木の陰に、二人の姿が見えた。所在なく歩き回っていたようだが、こちらに気づくとぱっと顔を輝かせた。 「ベアトリーチェ、リゼロッテはどうだ?」 「ええ、今は落ち着いてるけど。それより、ヴァイク――」 右の翼のひどい傷を目にして、ベアトリーチェがはっと息を呑んだ。 「すまない、うちの村人が誤って撃ってしまったみたいなんだ」 「あのセヴェルスとかいう野郎がな」 「ええ!? や、やったのはセヴェルスだったのか……」 ヴァイクとしては、あの弓使いへの当てつけを言っただけだったのだが、ジャンは自分が重大なあやまちでも仕出かしてしまったかのように落ち込んだ。 「誰がやったかより、すぐに治療しないと――ああ、でも傷薬がない」 自身の旅用の|袋(ザック)をあさっていたベアトリーチェだったが、首を横に振った。 解熱用の軟膏は