(英エコノミスト誌 2014年11月8日号) 新興国経済が厳しい時期を迎える中、ブラジルとロシアは特に脆弱に見える。 新興国の投資家は、どれだけ急速に状況が悪化することがあるか知っている。1990年代半ば、急成長を遂げるタイとインドネシアが「アジアの虎」として名を馳せるようになった。それが1997年には、通貨危機に見舞われ、国際通貨基金(IMF)の救済を受けざるを得なくなった。 あれから20年近く経ち、2010年には世界の経済成長を下支えしたともてはやされたBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国のうち2カ国が景気後退に陥りかけている。ブラジルとロシアが直面する複数の要素――通貨安、高インフレ、低成長――は、2015年を非常に悪い1年にする恐れがある。 「フラジャイル・ファイブ」の命運 問題はしばらく前からくすぶっていた。1年以上前に大手銀行モルガン・スタンレーのジェームズ・ロード
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