止まらぬ円高に輸出産業を中心とした日本経済への打撃を懸念する声が広がっている。経済界からの悲鳴を受けて政府と日本銀行もようやく重い腰を上げた。だが悲観論ばかりではない。円高を奇貨として成長への弾みをつけようとする企業もある。 円高への無策ぶりを指摘された政府がようやく重い腰を上げかけた8月26日、アサヒビールが海外企業の買収を発表した。 11月をメドに、オーストラリアで市場シェア3位の飲料メーカー、ピー・アンド・エヌ・ビバレッジズ・オーストラリア(P&N)の全株式を取得し、連結子会社にする。買収総額は約272億円。買収後は昨年、買収したオーストラリアで飲料2位のシュウェップス・オーストラリアとの統合を視野に入れており、オセアニアでの存在感を高める戦略を描いている。 発表会見に登場したアサヒビールの泉谷直木社長に対し、記者からは円高に関連する質問が飛んだ。「円高はM&A(合併・買収)に有利に
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