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ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (30)

  • 誰の賃金が下がったのか?または国際競争ガーの誤解 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    経済産業研究所が公表した「サービス産業における賃金低下の要因~誰の賃金が下がったのか~」というディスカッションペーパーは、最後に述べるように一点だけ注文がありますが、今日の賃金低迷現象の原因がどこにあるかについて、世間で蔓延する「国際競争ガー」という誤解を見事に解消し、問題の質(の一歩手前)まで接近しています。 http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/12j031.pdf 賃金構造基統計調査を使用して、1990 年代及び2000 年代における日の常用雇用労働者の賃金変化の要因分析を行った。その結果、既存の研究結果と異なり、国際的な価格競争に巻き込まれている製造業よりむしろ、サービス産業の賃金が下がっていたことが判明した。 途中の数理分析は飛ばして、結論のところの文章を追っていくと、 製造業の賃金は、1993-1998 年の期間には上昇、19

    誰の賃金が下がったのか?または国際競争ガーの誤解 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 京都某IT会社事件の判決文 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    先月末に、塩見卓也弁護士が、ついった上で http://twitter.com/#!/roubenshiomi/status/130875404641763328 >日、過労死ライン以上働かされ耐えられずに退職を申し出たところ、会社から損害賠償請求すると言われ、退職したら当に2000万円を請求する訴訟を起こされた件の判決がありました。会社の請求は全部棄却。こちらの反訴請求は、未払残業代と付加金を併せて1100万円以上が認容されました。 とつぶやいていた事件の判決文が、さっそく最高裁のHPにアップされました。 それだけの値打ちのある判決だと思われたわけですね。 これです。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111129185940.pdf 会社側が、この労働者に「2000万円払え!」と訴えた甲事件については、 >件においては,被告BあるいはCチー

    京都某IT会社事件の判決文 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    p260-2001fp
    p260-2001fp 2011/11/30
    『このロジックからすると、受託開発型、労働集約型、多重下請構造、顧客従属型で特徴づけられる日本の情報サービス産業で働く労働者の大部分には、専門業務型裁量労働制は適用できないことになりませんかね。』
  • 社畜とフツーの労働者の間 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    題名は売らんかなですが、中身は(ある部分までは)極めてまっとう。 ただし、根的なところに勘違いがあるので、そのまっとうさが大変歪んだ形で現れてしまうという致命的な問題があります。 藤さんがサラリーマンの4大タブーと呼ぶのは次の4つです。 >個性を大切にしろ 自分らしく生きろ 自分で考えろ 会社の歯車になるな こんなメッセージに惑わされてはいけないといいます。 まったくその通り。雇用される労働者になろうとする者にとっては。 世界中どこでも、雇用契約とは、指揮命令下で労働を提供するということは、組織の歯車になるということです。 単なる歯車として、約束しただけの労働を提供する。それ以上は知らない。歯車は歯車であって、脳髄ではないのですから。 それがいやなら、自営業者になるか、雇用契約であっても極めて裁量性の高いエグゼンプト、つまりエリート労働者になるか、であって、世界中どこでも、フツーの労働

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  • 「労働組合を作りますよ!」と社員に脅かされました - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    J-CASTの昨日の記事ですが、なによりもまずこのタイトルですね(笑)。いや、笑ってる場合ではない。これが今の人事担当者の普通の感覚なんでしょうか。 http://www.j-cast.com/kaisha/2011/07/01100135.html?p=1 >――中堅システム開発会社の人事担当です。・・・ >経営陣からはさらなるリストラに向けて、ベテラン社員を中心とした退職勧奨を検討するよう指示を受けています。 そんな雰囲気を察知したのか、営業部の40代Aさんが社内の有志を集め、労働条件の見直しを含む会社への要求事項をまとめている、という噂を聞きました。 >「賛同者を募って労働組合を作ろうという話も出ている。どうしてもリストラが必要なら手続きは公平にしなければならないし、条件面でも注文を出したい。そんなことになる前に、会社は社員が納得できる経営改革案を出すべきじゃないですか?」 >人事部

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  • 貧困の社会モデルまたは労働市場のユニバーサルデザイン化 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    さて、昨日より発売された『自壊社会からの脱却』ですが、広田照幸論文と並んでとても興味深く、わたくしのアクティベーション志向の議論に対してもある意味で大変挑戦的なインプリケーションを持つものが、阿部彩さんの「ユニバーサルデザイン社会の提案」です。 ここでは、冒頭に「かっちゃん」という野宿者が登場します。初めて会ったとき、阿部さんに「おーい、そこのブス。おまえみてえなブスは見たこともねえ」といきなり怒鳴りつけた彼は、しかし人間関係に非常に不器用であったが実は優しいところもあったのです。 阿部さんは、生活困難を抱える人々の多くが精神障害や知的障害を抱えることから、「生きにくさ」というハンディキャップを負った人々に対して、積極的雇用政策だけでいいのか?と疑問を呈します。 >職業訓練を始めとする人的資への投資プログラムに貧困の解決を求めることは、結局のところ、貧困が自己責任であるという発想から脱し

    貧困の社会モデルまたは労働市場のユニバーサルデザイン化 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 一犬虚ニ吠ユレバ万犬實ニ傳ウ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ブログでもボランタリーに宣伝していた(笑)『POSSE』第8号「マジでベーシックインカム?」特集ですが、どなたのもそれぞれに興味深く、とりわけ日頃あんまりその方面にお近づきになっていないポストモダーンな東浩紀さんの「BIの使い道を全部公開されちゃう」という素晴らしいアイディアには、自由の究極が完全監視社会という絶妙のアイロニーを感じましたな。 (下に「追記」を書き加えましたので、必ずお読み下さい) それはそれとして、飯田泰之氏のインタビューを見ていて仰天しました。池田信夫氏の既に暴露されたでたらめを、そのまま信じ込んで、得々と語っていたからです。 >-飯田さんのご提案では、経済成長とBI導入の代わりに、雇用に関する規制は基的に撤廃ということですよね。ちなみに、これはどの国がモデルとされているのでしょうか。 モデルではなくて理論ですよ。強いていえば、一番極端な例はスウェーデンでしょう。ス

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  • 人間という生き物から脅迫の契機をなくせるか? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    typeAさんとの一連のやりとりについて、ご人がご自分のブログで感想を書かれています。 http://d.hatena.ne.jp/typeA/20100911/1284167085(負け犬の遠吠え-無政府資主義者の反省-。 ) いえ、勝ったとか負けたとかではなくて、議論の前提を明確にしましょうよ、というだけなのです。 おそらく、そこに引用されている「平凡助教授」氏のこの言葉が、アナルコキャピタリズムにまで至るリバタリアンな感覚をよく描写していると思うのですが、 >無政府資主義の考え方にしたがえば,「問題の多い政府の領域をなくして市場の領域だけにしてしまえばいい」ということになるだろう.経済学でいうところの「政府の失敗」は政府が存在するがゆえの失敗だが,「市場の失敗」は (大胆にいえば) 市場が存在しないがゆえの失敗だからだ. 政府とか市場という「モノ」の言葉で議論することの問題点は

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  • きわめてまっとうな赤木智弘氏のつぶやき - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    5月4日の日経社説に対して、黒川滋さんの「今日も歩く」とブログがまたもや見事にかぶってしまいました。 http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2010/05/55-07f8.html(日経社説 介護・保育は外国から低賃金労働者を連れてくればいい) これはもう、条件反射回路が似ているということなんですかねえ(笑)。 それはともかく、このエントリで >昨日、赤木智弘さんのtwitterでもそういう議論が行われていて興味深かった。 障害者介護の介護士の賃金が高くなるとカネのために福祉をやる人が流れ込んで困る、と赤木氏に議論をふっかけた人に対して、そうやって調達する介護労働は脅迫によって成り立つ、と反論。ほんとうに視点がいい。 と紹介されていたので、ちょっと覗いてみたところ、確かに、赤木氏、極めてまっとうな議論(つぶやき)を展開していました。 http

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  • 「一般職に、男ですよ」・・・でどこが悪いの? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日経ビジネスオンラインの「時事深層」というコラム。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100408/213893/ タイトルが「ゆとり世代は男子も「一般職」」。 で、冒頭の文句が、これ。 >「一般職に、男ですよ」 困惑を隠し切れないといった表情で、ある生命保険会社のベテラン採用担当者が話す。企業の採用活動が格化する4月。その最前線では、一昔前なら考えられない事態が起きている。 はあ、男が一般職なんてとんでもないというご認識ですか。「一昔前」とか、一昔前以前から存在した男女均等やら男女共同参画なんてどこの世迷い言やらという世界ですなあ。 いや、その生命保険会社のベテランさんが、というよりも、なにやら最先端がどうたらこうたらいうてはる日経ビジネスさんが、という意味ですよ。 ビジネスの最先端の感覚は、「男たるもの、一般職なんて恥ずか

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  • 「卒後3年新卒扱い」というおまけよりも本論を読んでほしい - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    先日(3月29日)、朝日が「卒業後3年は新卒扱いに 大学生の就職、学術会議提案」という、報告書のごく一部だけ取り上げた記事を書いたのを受けて、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-a8ee.html 昨日の朝日の社説が http://www.asahi.com/paper/editorial20100403.html#Edit1 >さらに進めるべきは、大企業が実施してきた新卒一括採用という方式の見直しである。日学術会議の分科会が、大学生を卒業後3年間は新卒と同様に扱うよう提案した。だが、新卒以外の若者が「既卒」として不利に扱われる現状を抜的に改善する道を考える時ではあるまいか。 などと、いかにもこの検討会が「卒後3年新卒扱い」という枝葉末節的対策だけを主張しているようなことを書いていますが、そればっかり強調してい

    「卒後3年新卒扱い」というおまけよりも本論を読んでほしい - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)