竜巻研究の世界的な権威で「ミスター・トルネード」と呼ばれた北九州市出身の気象学者、藤田哲也博士(1920~98年)の生誕100年を記念し、研究生活の大半を過ごした米国の気象学会が伝記を作る。博士の足跡をたどるため、今秋には米国の研究者が北九州市などゆかりの地を訪問。母校や親戚などを回って取材した。 伝記を執筆する米国気象学会評議員でコロラド州立大のジェニファー・ヘンダーソンさん(45)が10月下旬、北九州市にある博士の母校、小倉高校や九州工業大を訪ねた。生まれ育った小倉南区の図書館では、博士に関する展示コーナーで竜巻のスケッチなどゆかりの品や、住民の寄付で制作した胸像などを見て回り、地元の顕彰活動への理解を深めた。 同市滞在中は、博士の弟碩也(せきや)さん(故人)の妻八重子さん(85)や博士の知人ら8人と面会。博士が少年時代に同区のカルスト台地・平尾台で鍾乳洞を発見したり、山の倒木を見て倒