その血を飲めば、未来永劫(えいごう)生きられる幻の鳥を追い求めた人々の生き様を主題にした故・手塚治虫氏の『火の鳥』。永遠の命を求め宇宙を旅する少年の成長を描いた松本零士氏の『銀河鉄道999』……。不老不死(超長寿命化)もまた、昭和の時代から様々なSFやアニメで表現されてきた人気のテーマだ。 かつては空想の産物と思われていた永遠の生命についても、ここ10年の遺伝子工学や生物工学の発展に伴い、本気で追求する動きが世界で目立つ。2013年、米グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO、当時)らが米サンフランシスコで創業したカリコはその1つ。「老化の原因を突き止め、対処する長期プロジェクト」の遂行が目的だ。 1つの可能性として挙げられるのが、超小型の機械「ナノマシン」の活用。発想自体は古く、米科学者のキム・エリック・ドレクスラー氏が1986年に発表した書籍『創造する機械』などが始まり