英語で野口英世について調べていると、よく出てくるのが梅毒に関する人体実験スキャンダル。日本では何故かほとんど知られていないが、結構重要な事件なので紹介する。簡潔にまとまっているデイヴィッド・ロスマン『医療倫理の夜明け』(2000年)から引用する*1。 この実験についての野口の論文は1911年に掲載されている*2。翌年の継続論文では被験者の数が増えて、315人の梅毒患者と250人の「対照群」になっている*3。 野口は以下のように弁明していた。第一に自分で試して、テストは安全だった。第二に、被験者のなかに隠れた梅毒患者が見つかるかもしれないので、みかけは治療を目的としていた。しかし、この論法は明らかに弱く、少なくともある方面の人々の激しい抗議に太刀打ちできるものではなかった。とくに生体解剖反対派は、研究で、動物の福利を無視する態度は人の福利の無視を生む、という彼らの危惧を確信した。「生体解剖の
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