大企業などが民事訴訟を利用し、不都合な言論を封じる-。勝つ見込みもないのに、自身を批判した相手に威圧目的で起こす「スラップ訴訟」と呼ばれる訴訟がある。その性格から恫喝(どうかつ)訴訟とも称され、求める賠償金が法外に高額なケースも。米国では言論の自由に反するとして抑止する州もあるが、日本での法規制は存在しない。提訴された側の負担の大きさなどから、日本でも救済制度を求める声も上がっている。(桑村朋) 「強い立場」の本部、元オーナー提訴 目の前の争いがスラップ訴訟なのかどうかは、一般的に当事者間で認識に差がある。 「最初は腹立たしかったが、今は営業を再開させてほしいだけ」。こう訴えるのは時短営業で話題となったセブン-イレブン東大阪南上小阪店(大阪府東大阪市)の元オーナー、松本実敏さん(58)。クレームの多さを理由に契約解除したのは不当だとして、セブン本部を大阪地裁に提訴後、記者会見で胸の内を明か