インドなど新興国の通貨下落が続いている。米量的緩和の縮小観測がきっかけとの見方もあるが、新興国経済を取り巻く現状はどうなっているのか。そして、日本など先進国への影響はどうなるか。 BRICSといわれる国がある。経済発展が著しいブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ共和国(South Africa)の頭文字を合わせた5カ国だ。 ただし、この5カ国の中身はちょっと異なる。 2012年の国内総生産(GDP)をみると、ブラジル2兆2527億ドル(世界174カ国中7位)、ロシア2兆148億ドル(8位)、インド1兆8417億ドル(10位)、中国8兆2271億ドル(2位)、南アフリカ3843億ドル(26位)といずれも経済大国だ。 ただ、1人当たりGDPを見ると、ブラジル1万1340ドル(53位)、ロシア1万4037ドル(41位)、インド14
財務省は8月30日、2014年度予算編成について各省庁からの概算要求提出を締め切った。一般会計の要求総額は99兆2500億円程度で、要求額としては過去最大となった。 要求額が増えた背景にあるのが、8月8日に閣議了解された概算要求の方法だ。この概算はこれまでのものとかなり変わっている。 まず、従来の概算要求について説明しよう。概算要求というのは、シーリング(天井)といわれるように、省庁ごとに要求のキャップの役割を果たしてきた。財務省は、多くの要求省庁の会計課に財務省職員を出向させており、要求のキャップをかけると、各省庁の会計課において省庁内での「予算折衝」が行われる。 これは財務省からの出向職員の立ち会いの下で行われ、当然その出向職員を通じて財務省も事実上公認の「予算折衝」なので、要求キャップに従っている限りは、そのまま予算案として要求はほぼ認められることになる。このように、従来の概算
「デフレ脱却に向けた金融機関の役割として、新規貸出分野の開拓を積極的にやっていただく。待っていても資金需要が出てくるわけではなく、金融機関自らが進んで資金需要を掘り起こし、場合によっては新たな資金需要をゼロから作り出すという積極的な姿勢が強く求められている」 金融庁幹部はこう金融機関経営者に呼びかけている。 3月末に期限切れとなった中小企業金融円滑化法後の動向は、金融機関がきめ細かな対応を継続しており、貸し渋り、貸し剥がしといった事態は生じていない。しかし、新規の資金需要の掘り起こしは力不足の感は否めない。現在も金融機関の資金の大半は国債購入に張り付き、融資は思うように伸びていない。 全国銀行協会によると、国内銀行の預金に対する貸出金の比率(預貸率)は6月に70・4%と四半期ベースで過去最低を更新した。大手行が約64%、地方銀行が73%で、信金は49・6%と預金の半分以上が国債を中心とする
東京電力福島第1原発の貯蔵タンクから高濃度の放射性物質を含んだ汚染水300トンが漏れた問題は、非常に深刻だ。海に流れた汚染水が黒潮に乗って流れてくることを、(ビキニやエニウェトクで大規模な原水爆の実験をやって太平洋を汚染した自分たちの歴史を忘れたかのように)米国も大々的に報じている。 タンクに貯蔵されている汚染水は、原子炉建屋へ流入した地下水と、核燃料の溶けた冷却水が混じったもの。1日に約400トンも発生して、2日半でタンク1基が満杯になってしまう。タンクを2日半に1基ずつ作ったとしても、もう敷地もないという状況だ。海に行かないようにするという防御策も難しい。 抜本的な解決策としては、単純に冷却水を循環させて使うことが一番いい。現在、懸命に冷却水を濾過(ろか)しているが、これを汚染されたまま温度だけ下げる方法、つまり熱交換器を入れることに切り替えたほうがいい。 ただ、この方法も、工事をしな
ホワイトカラー・エグゼンプションとは、いわゆるホワイトカラー労働者に対して、「週40時間が上限」といった労働時間の規制を適用しないことなど労働規制の適用除外とする制度だ。欧米では、一定のホワイトカラーについて労働規制の適用除外がある。 この制度は、先進国では類似制度があるにもかかわらず、日本では未導入であることから、経団連などから、これまでも労働規制緩和として要望されてきたものだ。 第1次安倍政権の時にも検討され法案化の予定であったが、マスコミから一斉に批判された。欧米では労働者のうち対象になるのは年収が一定以上で1割程度のごく一部の管理者であるが、その当時、マスコミから一般労働者を対象にする「残業代ゼロ法案」と報じられた。 当時、官邸に勤務していた筆者の担当分野ではなかったが、それでもひどい誤報だなと思っていた。しかし、いったん間違ったイメージに染まると、なかなか軌動修正はできず、
お盆休み初日の日曜日、市民団体が主催したイベント「ブラック企業大賞 2013」の取材に行ってきました。ワースト(大賞)には女性社員が過労自殺し、非難を浴びる「ワタミフードサービス」が選ばれ、本紙でも12日付の紙面で詳細をリポートしました。 イベントでは、大賞選出以外にもブラック企業をめぐるさまざまな問題が報告されましたが、その中で気になったのが、「自爆営業」です。 わが身を犠牲にして営業をかける。つまり、自ら顧客となって勤務先の商品を買う「自爆」行為が、営業の現場でまかり通っているというのです。 物流系企業の元社員だった女性(58)は、「商品の営業ノルマが非正規も含めた従業員すべてに課される。達成できない分は、自分で買い取らざるを得ないため、従業員の大きな負担となっている」と訴えていました。 同じような「自爆営業」は、「社員割引」などの名目で従業員に自社製品を買い取らせるアパレル業
最低賃金の引き上げ額の目安が全国平均で14円と3年ぶりの2ケタ台となり、最適賃金の全国平均は763円になった。中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が7日に決定し、田村憲久厚労相に答申した。 最低賃金制は、経済学者にとって興味深い対象だ。もともと伝統的な経済学では、最低賃金制はそれより低くても労働しようとする雇用を減らしてしまうので、経済のためにならないといわれていた。 しかし、この考え方は労働市場を完全競争市場とみている点で致命的な誤りがある。最近では、最低賃金があった方が、労働者のインセンティブが高くなるので弊害が少ないという考え方もある。いずれにしても、これまでの実証研究の結果ではどちらが正しいのかはっきりしていない。これがミクロ的な経済学の現状である。 こうした点からみると、日本を含めて先進国に最低賃金制があるのは決して経済学的に不合理なことでない。例えば、米国は厚生労働
日韓関係に絡み、韓国で常軌を逸した司法判断が相次いでいる。今月早々、近代法の原則である「事後法の禁止」を逸脱する憲法裁判所の判断が下されたほか、7月には1965年に消滅した個人賠償請求権を認める高裁判決が2件も出た。国際弁護士として活躍し、テレビ番組「行列のできる法律相談所」で人気を集めた自民党の丸山和也参院議員は「韓国は法治国家になっていない」と怒りの声を上げた。 サッカー東アジア・カップ男子の日韓戦(7月28日)で、韓国側がスポーツに政治を持ち込み、テロリストを称賛したことが問題視されているが、韓国では、平等・公正であるべき司法権もおかしくなっている。 各国の司法に精通する丸山氏は「国際的に見て、韓国は法治国家とは言いづらい。政治的非難をそのまま法律にしている。法的体裁をとった『政治的反日報復行為』というしかない。あり得ないですよ。先進国から『文化レベルの低い国だ』と思われても仕方
★(1) 韓国経済が崖っぷちに立たされている。アベノミクスで復活しつつある日本とは対照的に、主要取引先である中国などの景気悪化が直撃し、外資系の大手金融機関は相次いで同国から事業撤退や縮小を決めている。「反日」で突出する朴槿恵(パク・クネ)政権に打つ手はあるのか。経済評論家の三橋貴明氏が、断末魔の叫びをあげる韓国経済に迫った。 筆者が最近、最も怒り心頭に発したのは、韓国の朴大統領が先月末、中国に“朝貢”して、「中国のハルビン駅に安重根の銅像を建ててほしい」と習近平国家主席に“依頼”した一件である。どこの世界に、他国の国家の重鎮(伊藤博文)を「暗殺」したテロリストの「記念碑」を建ててくれと懇願する大統領がいるのだろうか(実在するわけだが…)。 伊藤博文は日本国の初代内閣総理大臣であり、現代日本の実質的な「建国の父」である。他国の「建国の父」を殺したテロリストの銅像の建造を依頼するという行為が
1987年に公開された米SF映画「ロボコップ」は、2010年のデトロイト市が舞台で、自動車産業が衰退し、市財政が苦しくなって民営化された警察のサイボーグ警官が主人公だ。そのデトロイト市が18日、連邦破産法9条の適用を申請し、財政破綻したことで、映画の世界がついに現実化した。日本では夕張市が有名だが、地方自治体が破綻する背景は何だろうか。 まずデトロイト市と夕張市は、報道でともに「破綻」とされるが、法的な内容は異なっている。米国では自治体破産法に基づく法的な破産である。一方、日本では、地方自治体の破産が法律的には認められていない。 その代わりに、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(かつては地方財政再建促進特別措置法)に基づき、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率によって各地方自治体の財政状況をチェックして、財政状況の悪い地方自治体は、各種の再建計画を作らなけれ
「日銀の『バズーカ砲』」と呼ばれた100兆円規模の巨額金融緩和策は、円安と株高を加速させ、日本経済復活を確信させる威力があった。一方、その衝撃をまともに食らう形となったのが中国や韓国だ。本来なら通貨安が他国の貿易に悪影響を及ぼすのは短期間に限定されるはずだが、中韓の通貨・経済体制はそれぞれ特殊事情を抱えているため、図らずも両国経済が窮地に陥る恐れがあるというのだ。 黒田東彦(はるひこ)総裁と岩田規久男副総裁が率いる日銀の新体制がマネタリーベース(資金供給量)を年間70兆円のペースで増やし、国債の保有額を2年間100兆円増やすなど「お金の量を2年で2倍」にする新たな量的緩和策を打ち出したのが4日。翌5日に日経平均株価は一時、1万3200円台とリーマン・ショック前の2008年8月の高値水準を取り戻し、為替も1ドル=97円台まで急速な円安が進んだ。 対照的に5日に年初来安値を更新したのが韓国
4月4日、黒田総裁体制になってから初めての政策決定会合で、日銀は、黒田東彦総裁自身が「異次元」と称する大胆な金融緩和策を打ち出した。 マネタリーベース(政府・日銀からの直接的資金供給。現金と日銀当座預金の合計)の2年での倍増、買い入れる国債の長期化、ETF(上場型投資信託)とREIT(不動産投資信託)の購入額の倍増といった内容だ。 これらは、事前に予想できた内容だが、規模の大きさと、全てが一度に出てきたことは、市場関係者の予想を超えた。ロイターは、これを日銀の「バズーカ砲」と報じて話題になったくらいだ。 為替レートは大幅に円安に動き、株価は大幅に上昇し、長期金利(10年国債の利回りのこと)も史上最低を更新した後に荒っぽい動きを見せた。 記者に政策の「採点」を問われた黒田総裁は、評価は自分でするものではなく、他人または市場がするものだと答えた。今回の政策の狙いは「市場」にある。 日
日経平均株価は5月23日の急落以来、乱高下を繰り返している。主犯はヘッジファンドを中心とする海外の投機勢力だ。その手口とは何か。 グラフを見てほしい。ことし1月初めから6月中旬までの日経平均株価の営業日7日前に比較した変動率を、日本時間前日の米国の代表的な株価指数であるダウ・ジョーンズ(DJ)平均株価および円ドル相場の各7日前比変動率合計値と突き合わせてみると、営業日数のうち8割は同一方向に変動。ときにはぴったり重なり、しばしばこの合計値以上の幅で上下に揺れ動く。7日前との比較にしたのは、短期間の趨勢(すうせい)がくっきり浮かび上がるからである。前日比、あるいは数日前比では小刻みすぎて趨勢を読みとりにくい。 ランダムなはずの株価変動がなぜこうもたやすくコントロールされるのか。日本株の売買金額の5~6割は外国人投資家で占められるが、外国人投資家の主力はヘッジファンドや欧米系投資ファンドであり
グーグル恐怖症を克服した人だけが…野口悠紀雄 Gメールに全個人情報 15年前のミリオンセラー、『「超」整理法』を大幅に書き直した野口悠紀雄さん。改訂版である『超「超」整理法』ではグーグルが提供するGメールを使って、あらゆる情報をネット上で管理することを提唱する。グーグルに依存しすぎる危険があるが、「グーグル・フォビア(恐怖症)を克服できる人だけが未来に進める」と言い切る。 −−Gメールを使うとネット上に「自分データベース」が作れるのですね 「メール、写真、資料などもスキャナでPDFに変換し、メールで自分宛に送るとそれが可能です。銀行口座やクレジットカードの暗証番号もメール上で管理すればいい。検索能力がずば抜けて高いので“書類の散逸”はありません」 −−しかし、個人情報をネット上に置くには抵抗がある 「人間は本能的に大事な物を手元に置きたいのでしょう。その気持ちを克服できるかどうかです。パソ
交際期間は約1年半。共通の知人を介して知り合い、ゴルフデートを重ねて交際に発展。14才の年の差はあるものの、互いに「気にならない」と周囲に報告していた。5月17日、元ミス・ユニバースの知花くらら(31才)と、元ジャーナリストの上杉隆氏(45才)の“大人愛”がスポーツ紙で報じられた。知花の所属事務所は報道について否定も肯定もしなかったが、両者を知る人たちは次々にコメントしていった。 まずはミッツ・マングローブ(38才)。報道があった当日、情報番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)に生出演。知花と上杉氏はミッツがプロデュースしている店で会っていたと明かし、「ずっと黙っててあげた私は水商売の鑑ですよ」とドヤ顔してみせた。また上杉氏と交友がある堀江貴文氏(40才)はツイッターのフォロワーからふたりの交際を聞かれ、<昨日一緒にいましたよ。ご両人ともに>とつぶやいた。しかし約1時間後、そのツイート
米国家安全保障局(NSA)が通話記録や電子メールなどの情報を収集していた問題で、告発者である米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏(29)と、中国側との接点が米国内で注目されている。 問題が表面化したのは、中国のサイバー攻撃が焦点となった米中首脳会談(7、8日)の直前で、元職員は会談終了翌日に突然、告発者としてメディアの前に現れた。 元CIA高官のボブ・ベアー氏は米CNNに、「スノーデン氏の滞在先が中国情報機関が牛耳る香港である点が問題だ」と指摘し、「この問題が発覚したことで、オバマ政権は大恥をかかされた」と語った。 ブッシュ前大統領の上級顧問を務めた米ジョージタウン大非常勤講師のブラッドリー・ブレイクマン氏も「中国の習近平国家主席がスノーデン氏が香港にいたことを知らなかったとは考えにくい。彼が何者で何をしに香港に来たか、中国当局は知っていたのではないか」と語った。
政府・自民党内で、谷垣禎一法相(68)の評価が上がっている。閣僚を無難に務めているほか、野党・民主党の醜態もあって、野党総裁時代の谷垣氏の実績が見直されているのだ。政権奪還直前に総裁を引きずり降ろされたことへの同情論も広がっており、安倍晋三首相に万が一があった場合のダークホースと見る向きさえある。 「政治の世界は、何が起こるか分からない。安倍首相に真っ向から異を唱えないが、リベラル層や財政規律派の受け皿になるため、常に(出番の)準備はしておく必要がある」 谷垣氏を支持する政策研究会「有隣会」の幹部は、こう語った。 有隣会は、昨年末の衆院選後、新人20人近くが参加して約40人に増えており、今月21日には政治資金パーティーを開く。谷垣氏は、「一丁上がり」ポストとされる衆院議長を固辞して入閣したほか、毎週水曜日の派閥会合にも出席している。まだまだ枯れてはいないようだ。 法相としての谷垣氏
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