この記事は雑誌『日経おとなのOFF』2013年1月号に掲載した記事に一部手を加えたものです。内容は基本的に雑誌掲載当時のものです。 路面電車の御陵前駅からひと筋入ったところに、南宗寺(なんしゅうじ)はある。武野紹鷗(たけのじょうおう)や千利休が参禅したことで知られる寺だ。 紹鷗は堺に移り住んだ豊かな町衆で、侘び茶の祖・村田珠光の孫弟子に当たる。紹鷗に師事したのが、「茶の三大宗匠」と称される千利休(宗易)、今井宗久、津田宗及だ。いずれも堺を代表する豪商であり、信長や秀吉に重用され茶頭に取り立てられている。