東電は「国有化」より、「メキシコ湾BP型ファンド」創設で速やかな対応を 菅総理に求められるスピード感と広い視野 東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故を受けて、菅直人政権と東京電力が機能不全と思考停止に陥っている。特に目立つのは、スピード感の欠如と視野の狭さである。 事態は急を要す。東電の株価は先週末に449円と、解散価値の半分以下に落ち込んだ。投資家たちが巨額賠償によって東電が破たんしかねないと懸念している証左である。 対策として参考になるのが、昨年春、メキシコ湾で未曾有の原油流出事故を起こした英石油大手BPだ。BPは事故から56日間で、周辺住民ら3万2000人以上に当面の生活補償として2億100万ドル(当時のレートで174億8700万円)を支払った。次いで、米政府の要求を呑み、中長期の損害賠償のための200億ドル(同じく1兆7400億円)の基金を設置した。自ら十分な支払い能力があるこ