あいつ「ケーキ切れなそう」 ネット上ではかつてとは比べ物にならないスピードで俗語(スラング)が生まれては消えている。最近、物議を醸している言葉の一つが「ケーキ切れそう」「ケーキ切れな(さ)そう」というものだ。 この言葉は手先の器用さや、ナイフの使い方に関するものではない。 「ケーキ切れなそう」というのは、あまり頭が良くない、という意味。つまり一種の悪口である。 「語源」は、宮口幸治・立命館大学教授の著書『ケーキの切れない非行少年たち』。 宮口氏が児童精神科医として医療少年院に勤務した時の経験をベースに書かれた同書はコミック化もされ、シリーズ累計で180万部のベストセラーとなっている。 宮口氏が同書で明らかにした「ケーキの切れない非行少年」の存在は、これまであまり語られてこなかった「境界知能」という問題を世に多く広めることにつながった。 ケーキを切れないとはどういうことか。彼らはどうして非行
