過去と未来の順序は曖昧で重なり合う? 量子電池の最新研究:今こそ知りたい電池のあれこれ(23)(2/2 ページ) 今回の研究には不確定因果順序という考え方が採用されています。従来の古典物理学の世界では「Aという事象の後にBという事象が起こる」と、その反対の「Bという事象の後にAという事象が起こる」は、どちらか一方しか成立しません。特に、AとBの間に明確な因果(過去と未来の関係性)がある場合、「未来のBという事象の後に過去のAという事象が起こる」とは、通常考えられないことかと思います。 しかし「AからB」「BからA」のどちらの順序で成立するのかを明確に確定できず、ときにはそのどちらもが同時に成立しうるというのが不確定因果順序の考え方です。このような因果律の非対称性(過去の原因があるから未来の結果があるという因果関係)に反する実験結果というのは、ますますもって感覚的に理解しにくい内容ではありま