いつの頃からか、外国映画の邦題というのがあまり信用できなくなって、気になった映画や気に入った映画があると、必ず原題を当たるようになった。外国映画の邦題というのは、たいてい配給会社の宣伝担当がつけているらしいのだが、日本人の観客に最適化を図るためなのか、不当にそのタイトルの持つテーマやメッセージが歪められている場合があるのだ。ぼくは、映画に限らずタイトルというのはその内容と同等の重い価値のあるものだと思っているので、そういうふうにぞんざいに扱われるのがちょっと我慢ならないのである。 ぼくの嫌いな邦題の一つに「フェリスはある朝突然に」というのがある。これは、原題は「Ferris Bueller's Day Off」で、訳すと「フェリス・ビューラーの休日」といったような意味だ。この映画のテーマはといえば、学校をサボった主人公フェリスが、そのサボった一日をいかに楽しく過ごすかということについて、い