閉じ込められたトイレ。暖房便座で体を温めた様子を下田さんに再現してもらった=東京都港区、田村写す下田さんが閉じ込められたトイレ。体をくの字に曲げ、横になって眠ったという=東京都港区、田村写す 東京都港区のマンションで11月、一人暮らしの女性が偶然、自宅のトイレに閉じ込められた。叫んで助けを求めても扉をたたいても気づく人はなく、入院中の母の連絡がきっかけで8日目に救出された。大都会の死角。「誰にでも起こり得る話」と危機管理の専門家は警告する。 閉じ込められたのは下田洋子さん(63)。11月4日午前1時ごろ、寝る前にトイレに入ったとき、ドアがひとりでに閉まった。驚いてドアを開けようとしたが、びくともしない。トイレ前の廊下に立てかけた「こたつセット」の段ボール箱が倒れ、ドアと壁の間にぴったりはまってしまったのだ。 「誰か助けて下さい。お願いします」 ドンドンとドアをたたき、大声で何度