「バリー・リンドン」には思い出がある。それは同じスタンリー・キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」という作品と関連してだ。 今じゃ知ってる人は少ないと思うが、「時計仕掛けのオレンジ」は、ぼくが子供の頃は上映が禁じられていた。理由はよく分からない。何度か聞いたのだけれど、その度に忘れた。 子供の頃、「フルメタル・ジャケット」に衝撃を受けたぼくは、それからキューブリックの映画を見漁るようになった。次に見たのは「シャイニング」で、その次は確か「博士の異常な愛情」だったと思う。それから「時計仕掛けのオレンジ」を見たいと思ってレンタルビデオ屋さんに行ったのだけれど、これが置いてないと言うのである。置いてないどころか、そもそも発売されてないと言うのだ。理由は……聞いたけど前述したように忘れた。大した理由じゃなかったと思うが、とにかく「時計仕掛けのオレンジ」だけ、ビデオとして発売されてなかったのだ