ぜんそくなどの原因となる微小粒子状物質(PM2・5)の濃度を地下鉄の駅構内で調べたところ、地上に比べて最大で5倍だったとの調査結果を、慶応大などの研究チームがまとめた。地下鉄が駅に停車する際のブレーキなどで金属の微小粒子が発生した可能性があるといい、日本の専門誌「大気環境学会誌」に論文が掲載された。 奥田知明・慶大准教授(環境化学)らの研究チームは昨年7月、横浜市内の地下鉄駅構内に測定機器を置き、午前5時から午後8時までのPM2・5濃度の変化を調べた。その結果、濃度は始発電車が到着した頃から上がり始め、午前8~10時頃の通勤時間帯には大気1立方メートルあたり100マイクロ・グラムを超えた。同じ時間帯に屋外で測った濃度の約5倍だった。 粒子の成分を詳しく分析したところ、鉄の濃度が屋外の約230倍だったほか、チタンや銅、亜鉛などの金属類の濃度が高い傾向にあった。研究チームは、ブレーキや車輪とレ