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2011年1月27日のブックマーク (4件)

  • 折口信夫 死者の書

    彼(か)の人の眠りは、徐(しず)かに覚めて行った。まっ黒い夜の中に、更に冷え圧するものの澱(よど)んでいるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。 した した した。耳に伝うように来るのは、水の垂れる音か。ただ凍りつくような暗闇の中で、おのずと睫(まつげ)と睫とが離れて来る。膝が、肱(ひじ)が、徐(おもむ)ろに埋れていた感覚をとり戻して来るらしく、彼の人の頭に響いて居るもの――。全身にこわばった筋が、僅かな響きを立てて、掌・足の裏に到るまで、ひきつれを起しかけているのだ。 そうして、なお深い闇。ぽっちりと目をあいて見廻す瞳に、まず圧(あっ)しかかる黒い巌(いわお)の天井を意識した。次いで、氷になった岩牀(いわどこ)。両脇に垂れさがる荒石の壁。したしたと、岩伝う雫(しずく)の音。 時がたった――。眠りの深さが、はじめて頭に浮んで来る。長い眠りであった。けれども亦、浅い夢ばかりを見続けて居

    pirachan
    pirachan 2011/01/27
  • 折口信夫 愛護若

    一 若の字、又稚(ワカ)とも書く。此伝説は、五説経の一つ(この浄瑠璃を入れぬ数へ方もある)として喧伝せられてから、義太夫・脚・読(ヨミホン)の類に取り込まれた為に、名高くなつたものであらうが、あまりに末拡がりにすぎて、素朴な形は考へ難くなつてゐる。併し、最流行の先がけをした説経節の伝へてゐるものが、一番原始に近い形と見て差支へなからう。 何故ならば、説経太夫の受領は、江州高観音近松寺(ごんしようじ)から出され、四の宮明神の祭礼には、近国の説経師が、関の清水に集つた(近江輿地誌略)と言ふから、唐崎の松を中心に、日吉・膳所を取り入れた語り物の、此等の人々の為に綴られた物と言ふ想像は、さのみ無理ではあるまい。今其伝が極めて乏しいから、此処には、わりあひに委しい梗概を書く。 嵯峨天皇の御代に、二条の蔵人前の左大臣清平といふ人があつた。御台所は、一条の関白宗嗣の女で、二人の仲には、子が無かつた

  • しんとく・弱法師・合邦対照表

    しんとく・弱法師・合邦対照表 (参考・愛護若) [INDEX] その1・登場人物(能「弱法師」、説経節「信徳丸」、浄瑠璃「摂州合邦辻」、付・愛護若) その2・物語の構成の比較(能「弱法師」、説経節「信徳丸」、浄瑠璃「摂州合邦辻」) その3・(参考)説経節「信徳丸」「愛護若(あいごのわか)」と「合邦」 その4・女性対照表(説経節「信徳丸」「愛護若(あいごのわか)」、浄瑠璃「合邦」) 作者・成立年 参考文献 「旅路のゆうきち」関連記事へのリンク その1・登場人物 弱法師信徳丸摂州合邦辻(付)愛護若

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    pirachan 2011/01/27
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    pirachan
    pirachan 2011/01/27
    第二の母経子の物語はこれがベースと思われる