新型コロナによる重度の肺炎に「ステムセル治療」が有効だったとの報告が寄せられている。 ステムセル(幹細胞)は、人間のさまざまな部位に変化する前の細胞のこと。ノーベル賞を受賞したiPS細胞も幹細胞のひとつで、神経や血液、あるいは肝臓、膵臓などに分化させれば、再生医療につながると期待されている。 UAE(アラブ首長国連邦)は5月1日、まったく新しい治療法によって73名の患者を回復させたと発表した。患者から採取した自身の血液の幹細胞を活性化させ、細かい霧状にして吸入させたところ、肺の細胞が再生し、全員が完治したという。 新型コロナの重症例の一つとして恐れられているのが、ARDSと呼ばれる急性呼吸逼迫症候群である。肺の内部に起きた炎症が肺胞や毛細血管に障害を与え、肺に水がたまることで重度の呼吸不全を引き起こす。CDC(米疾病予防管理センター)のデータによると、コロナ入院患者の20~42%がARDS
「ポンペオ国務長官が、新型コロナウイルスは中国・武漢の研究施設から漏えいしたかなりの証拠があると発言」「トランプ大統領が、その強力な証拠を公表すると発言」といったニュースが日本のメディアでも大きく報じられ、誤解が広がっているようだ。見出しだけだと、多くの人が「アメリカはついに証拠をつかんだのか」と思うのも無理はない。 【全画像をみる】「武漢研究施設からのウイルス流出」トランプ政権が決定的証拠を握っていないと言えるこれだけの理由 だが、アメリカの情報機関がそこまでの証拠をつかんでいないのは明白だ。例えば、ABCニュースが報じた冒頭のポンペオ国務長官の発言(5月3日)。その前段で彼はこう言っている。 「情報機関は仕事を続け、我々が確信できるように検証すべきだ」 まだ確信していない。つまり、まだ証拠はないのだ。 FOXニュースが報じたトランプ大統領の発言(ホワイトハウスのウェブサイトに掲載)も同
「欧州株の分布は驚くべき速さで増す」[ロンドン発]新型コロナウイルスの変異について米ロスアラモス国立研究所は4月29日、スパイクタンパク質における14の変異を特定し、その中の1つの変異株(D614G、いわゆる欧州株)が2月初めから欧州で感染拡大し、世界中に広がったと指摘する査読前論文を発表しました。 論文は「D614Gの分布は驚くべき速さで増しており、もとの武漢株と比較してより迅速に拡散できる適応度の優位性を示している」と分析しています。筆頭著者のベティ・コーバー氏はフェイスブックにこう書いています。 「新興ウイルスが非常に速く広がり、3月にはパンデミックの支配的な株になったことを見ると心配だ。この変異株が流行し始めると、それまでにその地域で広がっていた株に取って代わる。D614Gの感染力は強い」 コロナウイルスは表面に他のウイルスとは異なる「王冠(コロナ)」のような突起(スパイク)を持っ
新型コロナウイルスによる肺炎の脅威は、世界第2位の経済大国である中国の屋台骨を揺さぶっている。感染症の流行という点では2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)と共通するが、中国の世界経済における存在感は当時と現在では比較にならない。いまや世界は、中国が内包する巨大なリスクと無縁ではいられない。 ヒトからヒトへの感染情報の公開が遅れたことなどで中国では政府への信頼が損なわれ、ネットでフェイクニュースも飛び交う。その中で信頼を集めるのが、独立系の調査報道メディア「財新週刊」だ。今回、財新の取材班は感染のリスクを恐れずに武漢市内にとどまって「疫病都市」のインサイドリポートを連発している。 財新が2月3日付の週刊誌に掲載したカバーストーリーには、新型肺炎の流行の初期段階で何がおきたかの証言が詰まっている。日本での対応や中国の今後を考えるためには必読の記事だ。今回、その特集を財新との提携関係のも
科学研究者たちは新型コロナウイルスの起源に関する研究をいまも続けている。最近、南方医科大学公共衛生学院三級生物安全実験室のある研究論文では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が発生した期間は2019年9月23日から2019年12月15日の間である可能性が高いと発表された。 また新型コロナウイルスと遺伝子配列が最も似ているコウモリが持つコロナウイルス「RaTG13」には時間的な進化関係が存在せず、新型コロナウイルスはRaTG13が進化したものではない可能性が高いことがわかった。 この論文のタイトルは「コロナウイルスSARS-CoV-2の変異と進化の分析」であり、『南方医科大学ジャーナル』に発表された後、2月22日に中国知網に初めて掲載され、査読を通過した。研究員はデータベース・GISAIDから45の新型コロナウイルスの全長遺伝子配列をダウンロードし、その中の39の遺伝子配列のウイルス
種々の証拠が示している通り、昨年12月末までに、少なくとも9人の原因不明の肺炎患者の検体サンプルが武漢の各病院から集められていた。検体サンプルの遺伝子配列によれば病原体はSARSコロナウイルスの一種で、この検査結果は続々と病院にフィードバックされ、衛生健康委員会と疾病管理センターへと報告されていた。 1月9日には中国中央テレビ(CCTV)において、「武漢ウイルス性肺炎病原検査結果の暫定評価専門家チーム」が病原体を「新型コロナウイルス」であると正式に発表したことが報道された。 12月27日には最初の解析結果が報告 2019年12月15日、華南海鮮市場(訳注:当初、感染源と見られていた武漢の市場)で配達員として働く65歳の男性が発熱した。12月18日、彼は武漢市中心医院本院の緊急外来を受診した。医師は市中肺炎ではないかと疑い、患者を当該病院の救急科病室に入院させた。市中肺炎とは細菌やウイルス、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く