<台湾の蔡英文が香港からの移住希望者を受け入れると発表したのは単なる人道支援ではなく、国際社会の一員となるための戦略的な意図もはらんでいる> 中国政府が香港の統制を強める「香港国家安全維持法」を成立させたことを受けて、台湾政府は7月1日、香港市民を対象とした新たな人道支援計画および移住計画を正式に発足させた。 国家安全維持法は6月30日に、全人代の常務委員会で全会一致で可決・成立。香港警察は既に、同法に基づいて複数の市民を逮捕している。 台湾の蔡英文総統は、2期目に突入して直後の5月下旬に、香港からの移住希望者を支援する考えを表明。立法院(議会)に対して「人道的な支援行動計画」の策定を求めていた。6月には対中政策を担当する大陸委員会が計画の詳細を発表し、同計画は民主主義と自由、人権を支持する台湾の姿勢を示すものでもあると位置づけた。中国の台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は、これに強く