江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間 (講談社選書メチエ) 作者: 岡崎哲二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/24メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る これは青木やグライフの比較歴史制度分析に触発されて,江戸時代の株仲間制度をそのフレームで分析すると何がわかるかを解説した本だ.随分前の本だがこの夏に電子化されたので読んでみたもの. 第1章は歴史制度分析の紹介に当てられている.コンパクトな学説史的なまとめでわかりやすい. 1960年頃から主流になってきた計量経済史は反事実的想定を行いつつミクロ経済学的手法と定量データを用いて経済史を分析するものだ.このため分析は均衡分析のフレームになり,そもそも市場経済の成立については枠組みの外側になってしまう.要するにある地域のある時点で市場経済がどの程度まで発達していたかのデータは測定可能だが,その理由