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medicalとmedt00lzに関するpub99のブックマーク (13)

  • 経験は「どう」に集まる - レジデント初期研修用資料

    「何をするべきか」を語れる人は多いけれど、「どうやってそれを実現するのか」を語れる人は少ない。 「何」は一般化して、買い叩かれて、いっぽうで、「どう」を知っている人は生き延びて、 経験や知識というものは、「どう」を知っている人に集まってくる。 売りになる経験のこと たとえば最近、近所の開業クリニックで「医事職員募集」の広告を出したら、 大学を卒業したぐらいの人たちが30人、ずらっと列をなして集まってきたんだという。 今はもう当に仕事が厳しくて、田舎だと、立派な学歴を持った人でも、 ある程度安定して勤められる職場というのは当に少ないらしい。 うちの病院には最近、30代も後半の男の人が2人、新規職員として就職してきた。 2人とも、以前に病院勤めをしてきた人たちで、その頃の病院というのは、ちょうど「DPC」という、 新しい会計制度を導入した頃で、事務長は、「その時に病院にいた」という経験を買

  • 柔軟さのコスト - レジデント初期研修用資料

    診療というものも交渉の一形態であって、交渉ごとに、自分が「縦深」というものを利用できるようになったのは、 まだまだ最近のことのような気がする。 縦深を利用した、柔軟な対応を行えるようになると、外来でのトラブルが減る。幸いに、まだそうなったことはないのだけれど、 何か医療事故が起きたときに、身内の人に状況を説明するときなんかでも、最初から「妥協の余地」みたいなものを前提に 話しあいができるのならば、状況は恐らく、ずいぶん楽になる。 外来の考えかた 研修医を終えて数年間は、外来という場所を、一の線のようなものだと考えていた。 その線は死守すべきラインであって、そこを破られることを、どこかで「負け」だと認識していた。 「何とか外来で頑張ってみましょう」なんて言葉は、当時の自分たちはよく使っていたし、今でもいろんな近隣施設で、 「外来で頑張った」結果として、その施設からうちに来ました、という患者

  • 根暗な報酬のこと - レジデント初期研修用資料

    ある日のテストが60点で、頑張って次回80点取れた子供がいたとして、その子はたぶん、「20点増えた」という喜びと、「20点分見下せる奴が増えた」という、根暗な喜びとを、報酬として体感することになる。 努力や頑張りの報酬には、明るく表明できるものの裏側に、必ず根暗な何かがセットになっている。人を誘ったり、説得するためには、もちろん「明るい報酬」を前面に出さないといけないのだけれど、報酬には、常に根暗な側面がセットになっていて、そのことに自覚的でないと、どこかで上手くいかなくなるような気がする。 「明るい報酬」は希望を生むけれど、「根暗な報酬」は、自意識の地盤を固める。脆弱な地盤の上に、希望のお城を打ち立てて見せたところで、お城が大きくなるに連れて、いつかは地盤ごと、お城が倒壊してしまう。 自尊心の不足で疲労する 新しい学問だとか、仕事を立ち上げるときにけっこう大切なのは、「そこで働く人が自尊

  • 本が出ることになりました - レジデント初期研修用資料

    研修医時代を過ごした病院には、何年も使われ続けてボロボロで、外科の若手が練習がてら、人工血管や人工硬膜で破れた場所にパッチを当てた、 なんだか異様な見た目のソファーがあって、勤務時間を終えた上の先生がたが集まっては、毎日遅くまで、患者さんのこと、病気のこと、いろんなことを語りあっていました。 夜間の救急外来は1年生の仕事で、救急外来で診断に困った患者さんが来たときには、実際問題「困る」のは日常であったのですが、ソファーのあるその場所に、資料を持って駆け込むと、そこに集った先生がたから、怒られながら、突っ込まれながら、いろんな科から、たくさんのアドバイスがもらえたものです。 現場の問題は、しばしば複数の診療科にまたがっていることがあって、ある科を回っている研修医にとっては深刻な問題が、別の科の先生にとっては常識になっていたりすることも多くて、いろんな科の医師が集まったソファーセットは、専門科

  • 責任転嫁の技術 - レジデント初期研修用資料

    正しい医療を現場に広めたかったのなら、正しい医療の講義をするよりも、むしろ間違ったやりかたを分かりやすく解説して、それを笑いものにしたほうが、正しいやりかたが広まりやすい。同じようにたぶん、責任ある態度を現場に広めたかったのなら、責任転嫁の技術を分かりやすく解説したものを、職場に貼りだしておけばいいんだと思う。 上司の三つの言葉。「俺は聞いてない」「言ったはずだ」「あとは、任せた」 みたいな標語は身も蓋もないけれど、これを職場の壁に貼りだしておくと、上司はたぶん、責任ある態度を取らざるを得なくなる。 転院は大変 休みの日、緊急の開胸手術が必要な、けっこう若い患者さんが運ばれてきて、転院先を探すのに、7件の施設から、「無理です」なんて断りの返事をいただいた。 休日に人工心肺を回せる病院は少ないし、今の時代、胸部外科医を複数抱えている病院が、そもそも少ない。病診連携の人たちを介した、来の交渉

  • 手段としての謝罪 - レジデント初期研修用資料

    「医療コミュニケーション」の考えかたみたいなのをまとめる機会が今後あったとして、やっぱり「謝罪」というものの扱いかたが、特徴というか、鍵になるような気がする。 元検事は謝らなかった えん罪事件の元検事が、「謝らない」ことで、ずいぶん叩かれてた。 元検事の「謝らない」というやりかたは、たとえば検察側に何かものすごい深謀遠慮があって、今あえて謝罪を拒否しているということでは無いような気がする。あれはむしろ、検察の側に「謝罪を中間手続きとして折り込んだ交渉戦略」が用意されていなかったものだから、謝罪を決断するタイミングを逃してしまったのだと思う。あの場所で、えん罪でをかぶせられた人の不快感に対して、一言「ごめんなさい」と言ったところで、それが一人歩きする可能性は低いだろうし、たとえば相手側の弁護士がそこで言質を取りに来ても、それを切り返すことは、そんなに難しくない。 謝罪という行為を、そこで「終

  • 誠意は大切 - レジデント初期研修用資料

    処世術としての「誠実な会話」について。 何となく話そびれて、患者さんだとか、あるいはご家族から「話を聞かせて下さい」なんていわれたときの話しあいは、注意しないといけない。 これといった目的のない話しあいは、しばしば迷走して、収拾がつかなくなってしまうことがある。 最初に目的を宣言する 話しあいの前に、目標を宣言するのは大事なんだと思う。「今日は検査の報告だけさせていただきます」とか。「状態もだいぶ安定してきたので、退院の時期を相談したくて、今日来ていただきました」とか。 最初に医療者側から宣言をしておくと、話がぶれにくい。逆に「宣言」なしで、何となく話が進んで、ご家族の側から「宣言」を切り出されると、流れはご家族のものになる。流れを変えたり、あるいは「今日はこのへんで」なんて話を打ち切ると、それは「流れが着られた」という心証になって、どう言いつくろっても、いい結果を生まない。 「宣言」は単

  • 医療コミュニケーション覚え書き - レジデント初期研修用資料

    次があったら、今度は「医療コミュニケーション」というを作りたい。 企画の概要 自分が作っている新旧blog から、「コミュニケーション」タグでくくった文章をなるべく使い回すようなやりかたで、新書ぐらいの分量を目指す。企画はなるべく小さく軽く。「これから書きます」でなく、「こんなものを書きました」のやりかたで。 使い回しを多くして、目新しい内容を減らしたい。今から調べて書くなら、もっとふさわしい人が世の中にはたくさんいる。 企画の目新しさを、むしろ外部レビューに求めたい。いろんな業界の、怖そうな人たちにレビューをお願いして、自分たちの業界にフィードバックをかけたい。 コミュニケーションのやりかたを、「理解」、「納得」、「説得」、「謝罪」のそれぞれに分けて書こうと思う。それぞれの単語が俺定義だから、単語は変わる可能性も高い 「暴力的な分かりやすさ」というものを裏テーマにしたい。分かりやすさは

  • 「ない」を重ねて未知を知る - レジデント初期研修用資料

    「うちの患者さんじゃありません」なんてコメントが、いろんな科から戻ってくる。 原因疾患が特定できない患者さんを抱えて、自分じゃ分からないから、いろんな専門科に患者さんを紹介するんだけれど、「少なくとも循環器じゃない」だとか、下手すると「少なくとも外科じゃない」だとか。 分からないことだけはよく分かる 分からない患者さんというのは、たいていの場合、他の人にもやっぱり分からない。もちろん世の中のどこかには、「分かる」人がいるはずなんだけれど、その人がどこにいるのか、主治医にはやっぱり分からない。 「うちじゃない」という返事はその代わり、分からない患者さんであったとしても、ある程度の確信を持って提出できる。「うちじゃない」を証明するためには、自分がカバーしている範囲の知識に照らして、その人の症状だとか、全身状態を一つ一つチェックすればよくて、問題の大きさが有限だから。 専門家はしばしば、「ある」

  • 努力は報われないほうがいい - レジデント初期研修用資料

    現在進行形ですごい状態にある人を見て、「僕も頑張ってああなるんだ」なんて、 その人と同じ場所を目指して頑張るのは、危険なことだと思う。 何かの間違いがあって、頑張ったその人の成功を許してしまった業界は、その時点で詰んでしまうから。 劣化コピーが承認を求める 同じ方法論で頑張った人は、どうあがいたってオリジナルの劣化コピーにしかなれないものだから、 そういう人は、ものすごく頑張る。頑張った人が、「頑張り」に見合った承認を求めると、 世代を重ねるごとに、「頑張り」のコストはどんどん上がって、そこはたぶん焦土になる。 業界のどこかで「すごい」を観測したのなら、その人と同じやりかたを重ねるのではなく、 「もっと簡単にあそこに到達するにはどうすればいいんだろう」なんて考えないといけないし、 それでも「頑張り」以外の答えが出ないなら、「すごい」その人たちがいなくても何とかなるように、 仕事のやりかた自

  • 総合医はお辞儀ができない - レジデント初期研修用資料

    相手に打ち勝つためでなく、むしろ様々な業種の人たちと「共生」していくために、 専門性という看板が役に立つような気がする。 握手をしないと始まらない 「何でもできる医師ははかっこいい」なんて、そういう価値軸に基づいた訓練を受けた大手民間病院の医師が、 大学に「帰還」して、「何でもできる」自分をそこでデビューさせることに失敗して、 そこから先がちょっと不遇になるという事例が時々ある。 こういうのはたぶん、「握手の失敗」なんだと思う。 人がたくさんいる豊かな環境、様々な専門技能に分化した、そのくせ「優秀さ」みたいな漠然としたパラメーターにおいては 似たような人たちが群雄割拠している場所に割り込んでいくためには、たぶん「見えやすい弱点」が必要になる。 頭を下げないと、新しい場所には入れない。「何でもできます」という人は、 「何かができない」人に対して頭を下げるための理由が発生しないから、 どこか新

    pub99
    pub99 2009/10/30
    「頼れる何かを一つ持つこと」
  • 「当直医学」を作ってほしい - レジデント初期研修用資料

    できれば雑誌の連載とか、なにか公的な文章として残る形で。 「総説」は役に立たない 患者さんはみんな違うから、医療という分野においては、 議論の土台になる「一般」というものが、定義できない。 病気についてはだから、「一般的にこうだと私は思う」という書きかたが難しくて、 どうしても、誰かの論文を引っ張って、「○○らはこう述べている」という書きかたしかできない。 どれだけたくさんの「○○ら」を引用したところで、その文章を書いた作者自身が、患者さんと当たって どういう治療を選択するのか、あるいはある病気に対して、「一般的には」どうやって対処するのが 一番無難なのか、読者として、一番知りたいことは、あんまり書かれない。 「エビデンス」なんかよりも、「言質」がほしいな、といつも思う。 論文どおりのやりかたを行うためには、その患者さんが、議論の余地なくその病気を発症している 必要があって、そういう人たち

  • 分からないときの振る舞いかた - レジデント初期研修用資料

    間違える、あるいは「放り出す」といったほうが正しいのかもしれないけれど、患者さんを診察して、 その人の抱える問題に対して、主治医としてなんのアイデアも浮かばないときに、 患者さんに対して、どう「ごめんなさい」をすれば、その人の問題が解決できるのか、 そんなことを考えてる。 間違えが正しく重なると治る 胸部大動脈瘤で手術になった患者さんは、最初に整形外科にかかっていた。 その患者さんは「肩が痛い」と訴えて、胸が痛いとか、苦しいとか、 そういうお話しを全然しなかったらしい。 患者さんを診察した整形外科の先生は、肩を診て、分からないからレントゲンを撮って、 心臓の上側がやけに大きく拡大していたものだから、「肺癌疑い」なんて診断で、 その患者さんを紹介した。 外来に来てくれている呼吸器の先生は、胸を聴診しても、その人には何もなかったのだけれど、 「肺癌」と紹介されたものだからCTスキャンをオーダー

    pub99
    pub99 2009/08/05
    「分かる誰か」に問題を正しく渡す
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