「大気汚染が深刻なインドで数十年ぶりにヒマラヤが見えた」 「イタリアのベネチアで緑色に濁っていた運河の水が透明になった」 コロナ禍にある世界各地からこうした自然環境に関する驚きの報告が相次ぎました。こうした事態を環境の専門家はどう考えているのか。そしてコロナ禍のあとに考えるべき環境政策とは? 国立環境研究所の江守正多さんに話を伺いました。 未曽有のCO2減少 インド ニューデリーで深刻な大気汚染改善 コロナ禍により世界中で二酸化炭素の排出が削減したという話を耳にしますが? 江守さん これは未曽有というか、とてつもない大きさ、誰も予想していなかった現象です。気候変動問題に関わる二酸化炭素の排出についてはいろいろな試算が出されていますが、ピーク時で昨年に比べて17%削減したというふうに見積もられています。 (4月7日 The Global Carbon Project推計) さらに1年間でみる