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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (118)

  • 小熊『社会をかえるには』:大風呂敷広げといて結論は小学校レベル。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    社会を変えるには (講談社現代新書) 作者: 小熊英二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/17メディア: 新書購入: 8人 クリック: 352回この商品を含むブログ (71件) を見る 書の主張は非常に単純で、社会を変えるためには、ちゃんと自分なりの発言をして声をあげ、デモとかにも参加したりしましょう、ということ。 それだけのために、なんでこんな分厚い(500ページ以上)が必要なのか。まず最初の部分では社会の現状説明なんだけれど、高度成長期から始まってオイルショックでポスト工業社会で、という話。ここで読者が受け取るメッセージはつまり、社会というのは経済に依存する、ということだ。社会を変えるには経済を変える、という話なのか……と思うと、後半になって延々原発の話になるんだけど…… それって関係なくね? いや、著者自身がそれは関係ないことを指摘しているんだ。原発がなぜやめられ

    小熊『社会をかえるには』:大風呂敷広げといて結論は小学校レベル。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • デュマ『モンテ=クリスト伯』:おお、新訳! まとめて一冊! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    モンテ=クリスト伯爵 (オペラオムニア叢書) (オペラオムニア叢書 1) 作者: アレクサンドルデュマ,大矢タカヤス出版社/メーカー: 新井書院発売日: 2012/06/27メディア: ペーパーバック購入: 27人 クリック: 1,967回この商品を含むブログを見る すばらしい。新訳が出ましたか! 「モンテクリスト伯」は、長いけど新聞小説だけあって、山場ばっかりで下のペルッツのような上品さはかけらもないが、まあめっぽう面白い。だまされ、ふられ、裏切られ、島流し、復讐! それも武力あり経済戦あり裁判戦ありのなんでもかんでも盛りだくさん。 横書きになっているのでちょっと嫌がる人もいるかもしれないけど、これがまとめて一冊で読めるのはいいし、訳文も古くさくなくてすらすら読めるし、古いイラストも入ってるし、すばらしい。今日なにげなく買って、読み始めたら一気に島流しまできてしまい、あわててを閉じたん

    デュマ『モンテ=クリスト伯』:おお、新訳! まとめて一冊! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 柳下『新世紀読書大全』:うらやましいなあ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新世紀読書大全 書評1990-2010 作者: 柳下毅一郎出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2012/08/29メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 67人 クリック: 4,888回この商品を含むブログ (31件) を見る うらやましいな、柳下はこんなを作ってもらえて。まあぼくの書評はあまり需要がないから仕方ないんだが。 山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.

    柳下『新世紀読書大全』:うらやましいなあ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 西田『新しい刑務所のかたち』:PFIを口実にした刑務所自体の改革 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新しい刑務所のかたち -未来を切り拓くPFI刑務所の挑戦- (ShoPro Books) 作者: 西田博出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2012/06/28メディア: 単行購入: 4人 クリック: 113回この商品を含むブログ (1件) を見る 十年以上前、書のテーマとなる、公共施設の整備運営を民間に任せるプライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)制度の海外事例を調べたことがある。単なる民間事業委託ではない。事業の自由度を高め、民間の創意工夫の活用で、低コスト高サービスの提供がPFIの真骨頂だ。前例主義や形式主義、事なかれ主義のお役所がそうした自由度を容認するかが課題の一つとなる。 そうした自由度の最もなさそうな刑務所に、この仕組みが導入されたというのには驚いた。 だがそれは、嬉しい驚きではあった。著者はこのPFI制度の導入を機会に、刑務所自体の大幅な改

    西田『新しい刑務所のかたち』:PFIを口実にした刑務所自体の改革 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • pha『ニートの歩き方』:エリートによるエリートのための本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法 作者: pha出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2012/08/03メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 1,642回この商品を含むブログ (99件) を見る 仕事も家庭もつまらない、ネットでだらだらして、人にたかって生きていこう、という。マンゴー『就職せずに生きる』とかだと、就職しなくてもなんか社会と自分にとって有益なことをやって生きていける、という内容だったけれど、これはそういうのもなく、とにかくニートとして生きていけばいいじゃん、という。 それですむならいいんじゃないの? ぼくはそういう恵まれた環境にはいなかったので、こういう安楽でぜいたくな暮らしはできないけど。こういうエリート層が可能なくらいには日は豊かだということがよくわかる。これを読んで救われる人も、いるのかもしれない

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  • 米山『空き家急増の真実』:今後重要になる問題。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ 作者: 米山秀隆出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2012/06/02メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 25人 クリック: 563回この商品を含むブログ (11件) を見る 真実といっても、別に特別な真実はなくて、原因も対策もごく常識的。いや一瞬、「空き家急増の裏には、実は太平天国教団の陰謀が!」とかいうじゃないかという懸念が脳裏をよぎったが、そんなことはない。きわめて堅実でまっとうな。最近、高齢化とともにまったく利用の予定や見込みがない空き家が増えていて、それを何とかしないと治安面でも環境面でもいろいろ問題が起きるよ、という話を統計的なデータも使って整理しつつ、一部の自治体や他国での対応も見ながら、日で今後どういう施策を進めるべきかを簡潔に論じた。空き家はもちろん一軒家だけでなく、マンションなんかも含まれ

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  • ばるぼら/増渕『岡崎京子』本2冊:資料としてはありがたいが、崇拝者本にとどまり新しい視点をくれるものではない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    岡崎京子の研究 作者: ばるぼら出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2012/07/11メディア: 単行購入: 3人 クリック: 94回この商品を含むブログ (14件) を見る この二冊が同時に出たというのは、基的に映画「ヘルタースケルター」のタイアップ and/or 便乗企画と思っていいの? ばるぼらは、岡崎京子の作品をたどりつつ、長い対談がついて「あんなのあったねー、あの人もこんな話してたよねー、こういうのが当時流行だったよねー」というのを延々続ける。時代背景とかがわかるという意味ではよいのかもしれない。その対談は、知ってる連中同士が符牒を投げ合うという、悪い意味で内輪向き(つまり同世代で当時の状況をリアルタイムで体験してきた連中)になっている部分が多々あってしばしばうんざりする面は否めない。書についての他の書評を見ても、ほめている人はそういう部分(80年代の文化ナントカ

    ばるぼら/増渕『岡崎京子』本2冊:資料としてはありがたいが、崇拝者本にとどまり新しい視点をくれるものではない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 片岡『円のゆくえを問い直す』:異様な密度でアンチョコにさせていただきます。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    円のゆくえを問いなおす―実証的・歴史的にみた日経済 (ちくま新書) 作者: 片岡剛士出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/05メディア: 新書購入: 76人 クリック: 1,625回この商品を含むブログを見る 異様な密度の新書。企業が円高で悲鳴を上げる中、一面的な容認論も聞かれる。書は為替レートの根を解説、金位制から変動為替制への推移などの歴史をたどり、購買力平価やマンデル=フレミングなど為替の基礎理論を押さえ、近年の円高がなぜ有害かを堅実に説明。そして、理論的な理解をベースに、いまの円高の原因や、それが各種対応策でも改善されない理由が明快に説明され、根底にある今の日のデフレ経済という大問題へと議論が展開する。 理論、歴史、政策と、これほど盛りだくさんの内容を、手抜きなしで新書につめこめたのは驚き。各種メディアの評論家や学者たちによる変な円高容認議論のおかしさもわかるし

    片岡『円のゆくえを問い直す』:異様な密度でアンチョコにさせていただきます。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 『放射能を食えというならそんな社会はいらない』:おまえがいらない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    放射能をえというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言 作者:矢部 史郎発売日: 2012/06/29メディア: 単行(ソフトカバー) ゼロベクレル派宣言なんだって。シーベルトもなんか怪しい陰謀がらみだから信用できないって。でも、ふつうの品もふつうに放射線出しますんで、ゼロベクレル無理ですから。むろんこうした立場を取るのはその人の勝手だけど。そして事故直後には、こういうことを言う立場も、説得力はさておき、無理もないものだっただろう。でも、一年以上たった時点で、もはや単純にその当初の印象だけをふりかざすのは、思想家を名乗るのであれば (名乗ってるんだよ、この人) ダメだと思う。思想家というわりにあまり考えてない、というか考えていても、下手の考え休むに似たりで進歩がない。いまだに、放射「能」で人がこれから大量に死ぬとか気で言ってるに至っては、どうしたもんか。こういう脅しに荷担した

    『放射能を食えというならそんな社会はいらない』:おまえがいらない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 本郷『カブトムシとクワガタの最新科学』:メジャーでとっくに研究し尽くされてると思ったら!  - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    カブトムシとクワガタの最新科学 (メディアファクトリー新書) 作者: 郷儀人出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/06/29メディア: 新書購入: 9人 クリック: 210回この商品を含むブログ (12件) を見る 今更ネタがあるのかと思って半信半疑で読み始めたら、これがおもしろい。カブトムシとクワガタなんて小学生のあこがれだし、すでに研究し尽くされているかと思ったら、まだまだなんだって。 特に書の大きなテーマは、カブトとクワガタのケンカ! もう小学校時代の定番のネタだけれど、なかなか(テレビでは翌出るが)実際には目にできないもの。子供は、単にカブトやクワガタが弱ってるからだろうと思ってたんだけどさにあらず。遺伝的に、相手の体の大きさを見て勝ち目がない相手とは闘わないようになってるんだって。そして実際のケンカの場を見るのもむずかしいので、あまり研究されていない。

    本郷『カブトムシとクワガタの最新科学』:メジャーでとっくに研究し尽くされてると思ったら!  - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • チャトウィン『どうして僕はこんなところに』:たぶんぼく以外の人には理解できまい、とおそらく多くの読者が思う本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    どうして僕はこんなところに (角川文庫) 作者: ブルース・チャトウィン,池央耿出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/06/22メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 479回この商品を含むブログ (17件) を見る What am I doing here. 書の原題だ。そしてぼくはこの感覚を知っているかどうかで、その人の旅行者レベルがわかると思っている。旅先でふと思う、「オレ、こんなところでいったい何やってるのかな」という感覚。もはや具体的に「ピラミッドが見たい」とか「プラダ店でお買い物したい」とかいった目標もなく、なんだか面白そう、なんだかいまいるところが陶しい、なにかせき立てられるような気がする、そんな感覚に突き動かされて旅に出て、しばらくは目先の変わり具合に有頂天になりつつも、数日のうちにその興奮がさめて、あるときふと思うのだ。

    チャトウィン『どうして僕はこんなところに』:たぶんぼく以外の人には理解できまい、とおそらく多くの読者が思う本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ウォルツァー『政治的に考える』:理念と現実のせめぎあい - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    政治的に考える―マイケル・ウォルツァー論集 作者: マイケルウォルツァー,デイヴィッドミラー,Michael Walzer,萩原能久,齋藤純一出版社/メーカー: 風行社発売日: 2012/04メディア: 単行購入: 3人 クリック: 400回この商品を含むブログ (5件) を見る いま、現実の政治に希望を抱くのはむずかしい。目先の出来事におたつき、世間の顔色をうかがうばかりの人々が、己の地位と利権だけにしがみついて、その場限りの言い逃れを連発。一方でそれを批判する識者たちも、時に形骸化したスローガンの連呼や現実から乖離した抽象論に堕す。だがそもそもこの現実世界の政治とは何をするものなのか? それを考え続けてきた政治哲学者マイケル・ウォルツァーの論文をまとめたのが書だ。邦訳も多いとはいえ(いやそれ故に)多岐にわたる彼の議論を包括的に見渡すのはなかなか面倒だ。書はそれを可能にしつつ、現実

    ウォルツァー『政治的に考える』:理念と現実のせめぎあい - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 都甲『21世紀の世界文学30冊』:紹介としてはよいながら視野が狭く筋が通っていない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    21世紀の世界文学30冊を読む 作者:都甲 幸治発売日: 2012/05/01メディア: 単行 世界文学、と称しつつ紹介されているのは英語小説、特にアメリカ中心。著者もそれを気にしているようで、「はじめに」であれこれ言い訳する。英語も大してできないし(まあこれは謙遜だろうが)、その他の言語はほとんど初歩程度。でも、それでもここで紹介されているのが世界文学だといえるんだって。なぜかといえば: 書で選んだ三十冊はいずれも、アメリカ合衆国に関係が深い。そしてこの一〇年とは、9/11の事件以来アメリカが世界で暴れ回り、グローバリゼーションの一層の進展とともに英語帝国主義が猛威をふるった時代だった。 だから、アメリカ中心の英語小説の話をするだけでも、世界(に関係のある)文学といえるのだ、というわけ。 が……少しでも世界の政治経済文化を見ている人間なら――The Economist、いや思いっ

    都甲『21世紀の世界文学30冊』:紹介としてはよいながら視野が狭く筋が通っていない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • コリアー『収奪の星』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    収奪の星―― 天然資源と貧困削減の経済学 作者: ポール・コリアー,村井章子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/03/20メディア: 単行購入: 4人 クリック: 149回この商品を含むブログ (8件) を見る 資源は途上国にとって諸刃の剣だ。収入は増えるが、利権と汚職の温床になったり、資源収入への過度の依存で国民の勤労意欲まで消えたり。この「天然資源の呪い」を指摘した一人が、書の著者コリアーだ。 でも、あらゆる国は何らかの天然資源を持つ。それをきちんと活用して、天然資源の呪いから脱するには? それが書のテーマだ。 その指摘は単純ながら重い。まず、天然資源の呪いは行政能力の問題だということだ。自国の中で政治家の汚職を監視し、国富を国民に還元する仕組みが弱いので、資源の利益が外国や汚職政治家に吸い上げられたり、無駄な投資が起きたりする。 さらに著者は、その背後にある思想の

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  • 大槻『サブカルで食う』:大槻モヨコ殿の一代記。楽しいよ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    サブカルでう 就職せず好きなことだけやって生きていく方法 作者:大槻 ケンヂ白夜書房Amazon 大槻先生がお書きになった――というより語り下ろした、というべきか――サブカル論というよりは自分の一代記。でもその中で、バンドやりたいとかクリエーターやりたいとか、あまり普通に就職しなくてもいいから好きなことやりたい人向けのいろんな指針がある。これをマジにガイドとして使うやつはいないだろうけど、事務所との契約とか懐事情とか、サブカル系のいろんな落とし穴とか、結構おもしろい。 人気が出てしまうことの弊害とか、「プロの客になるな」とか、いろいろ含蓄のある話も結構あるし、「自由の不自由」とか、ぼくのたかがバロウズにも通じるなあ、という中身もさらっと出ていて、やっぱえらいもんです。書評するってじゃないけど――と思うんだがたまにこういうのもとりあげたほうがわけわかんなくていいのかな、とは思うんだけど

    大槻『サブカルで食う』:大槻モヨコ殿の一代記。楽しいよ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 今和次郎『日本の民家』:民家の持つ合理性を見抜いた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    の民家 (1937年) Amazon 久しぶりに読んだ。考現学の今和次郎が、日の民家をあちこち調べてまわって記録した。学生の頃に一度読んだ記憶があるが、ほとんど忘れていたけれど、こんど、「今和次郎「日の民家」再訪」を読んだときに記憶を復活させるために読み直した。 すごくいい。分析は日の漁村や農村にある各種の民家の構造や道具が持つ合理性を中心に記述されていて、失われゆく日の民家などについてのノスタルジーはあるものの、最小限。気候、産物、経済、その他各種の条件が民家の構造には関係していて、当然ながら各地で取れる産物をそのまま使わなくてはならない。それが独特の形を生む。その記述をスケッチがうまく補って、見ていて飽きない。 マルセル・モースとか、イザベラ・バードとか異人さんの日旅行記にはこれに近い印象のものがかなりある。日人の地方記述期は、都会人の変な幻想が垂れ流されてることがや

  • コスタ『文明はなぜ崩壊するのか』:そこまで話を落としてしまったら、なんでも言えちゃうではありませんか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    文明はなぜ崩壊するのか 作者: レベッカコスタ,Rebecca Costa,藤井留美出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/03メディア: 単行購入: 1人 クリック: 408回この商品を含むブログ (3件) を見る うーん、うーん、うーん、なんか頭痛がすごく痛いよう。 いろんな文明がなぜ亡びたかというはいっぱいあって、どれも一長一短なうえ、そこから共通点を引き出そうとすると、どれもこれも様々なので何ともいえない。無理にやると、すべて気候変動がいけないのだというフェイガンや、すべて環境破壊がいけないというダイアモンドみたいに、「おまえ、数ある文明の中でなぜわざわざそれを選んだの?」という選択バイアスかかりまくりの偏向図書になってしまう。 でも書は、進化論とか脳科学をもとにそれをドーンと一発解明とのことで、なんとも剛気なおばさんじゃねえか、と期待していた一方で、朝日文化部の人は「

    コスタ『文明はなぜ崩壊するのか』:そこまで話を落としてしまったら、なんでも言えちゃうではありませんか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 後藤『決着! 恐竜絶滅論争』:ふーん、結局隕石ってことですか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    決着! 恐竜絶滅論争 (岩波科学ライブラリー) 作者: 後藤和久出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/11/09メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 19人 クリック: 245回この商品を含むブログ (14件) を見る 昔、金子隆一『大絶滅!』を読んで、隕石説は結構劣勢になっているのか、と一時は思っていたんだよね。金子はプリューム説、つまり地殻変動による火山噴火で恐竜が絶滅したという立場で、今後もそうした地殻変動に備えるような地球管理体制を構築せよ、という勇ましいだったので結構おもしろく読んだ。 が、書は隕石説が圧倒的に正しいと主張し、火山説を含む異論について、その問題点を指摘する。隕石説が劣勢に見えたのは、同じ隕石説内でも細かい内輪もめがあって、異論に対する一体的な対応ができなかったから、という。でも実際には、異論のほうがかなりの少数派であって、議論の決着がついていない

    後藤『決着! 恐竜絶滅論争』:ふーん、結局隕石ってことですか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」