長かった「弓」シリーズも今回で完結となります。 前回は、複合弓をたいへん上手に利用したケースについて見てみました。モンゴル帝国強すぎ。 ですが、兵器というのは時と場合で最適解も変わってきます。 モンゴル帝国の複合弓が強かったのは、彼らの出自が遊牧民族だったから。 「日常的に馬に乗って過ごす」という彼らの特異な生活習慣が、弓騎兵の大量動員を可能にしたのです。 けっして、複合弓が飛び抜けて凄いというわけではありません。 そもそも、日常的に馬に乗る習慣のない国々がこの「複合弓+騎兵」というユニットを作ろうとすると、まず乗馬とアーチェリーを一から教え込んでいかなくてはなりません。 そうしてようやく騎射へと移れるのですが、騎射もこれまた覚えるのがたいへん。 日本でも古来より、武士が修めるべき武芸の最高位を「騎射三物流鏑馬・笠懸・犬追物」としています。剣術や槍術よりも上なんですね。 馬に乗れること