『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(以下『ゴジラ S.P』)が放送前から話題になったのは、まさかの円城塔さんが脚本に参加したことが大きいだろう。 『ゴジラS.P』の場面写真をもっと見る(15枚) 円城さんは、小説や日本語の構造を書き換える作品を生み出してきた。その実験的な作風がSFシーンから純文学の領域においてまで評価され、これまでに芥川賞や日本SF大賞など数々の賞を受賞してきた。 そんな円城さんが「ゴジラ」シリーズに関わったらどうなるんだろう……? 抽象アニメーションみたいな「ゴジラ」になるのではないか……? 筆者だけではなく、放映前には、多くの人にそんな思いが去来していたと思う。 『メッセージ』であり『パルプ・フィクション』な新しいゴジラーー円城さんは作風や実績から、すごく堅いイメージで評価されることが多いと思うんですけど、過去の発言を見ると「わりと笑いのつもりで小説を書いてい