JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2023年3月22日)※内容は掲載当時のものです。 今の社会は何事も簡素に、便利に、合理的になっているが、それと反比例するように、人々はこれまで以上にデリケートかつ気難しくなっている印象を受ける。デジタルデバイスやインターネット空間が発達し、本音と建前、正義と悪が錯綜する現代という檻の中で、人々の思考と感情が窮屈さに悲鳴を上げている。 そんな時代に、私たちはどのように生きればいいのか。『脳の闇』(新潮新書)を上梓した脳科学者の中野信子氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──霊感商法、特殊詐欺、結婚詐欺、悪質なマルチ商法やネズミ講など、最近人を騙してカネを取る事件が頻繁に報道されます。「騙される人間は考えが甘い」などと思ってしまいがちですが、中野さんは「自分が詐欺師だったら高学歴の人を狙うかもし