国の補助金事業を巡る内部文書が毎日新聞に届いた。国民の税金を原資にした補助金を支給する実務を担う委託先の選考で、国が特定の企業に「受託させる意向はない」と記載されている。委託先は厳正な公募で選ぶはず。手続きは公平に行われたのだろうか。取材で見えた政府と事業者の不透明な「事前接触」の実態を、2回にわたりリポートする。 <関連記事> ・「ぶっちゃけ興味ある?」 国の事前接触15回 補助金事業委託の限界 配布された内部文書 一通の封筒が毎日新聞に届いたのは2024年2月。中には、政府の「中小企業省力化投資補助事業」に関する告発文、内部文書が入っていた。補助金事業の実務の業務委託について、国が特定の企業に受託させないよう画策し、中小企業の全国団体「全国中小企業団体中央会(全中)」など他の団体・企業には公募前に情報提供している、という内容だった。 省力化補助事業は政府の経済対策の一つ。人手不足の解消