現在はトップの座を譲ったものの、Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏は長らく世界で最も多くの資産を保有する人物だった。その彼が華美なスタイルを好まなかったことは、周囲の人間なら誰もが知っていることだろう。 Microsoftが伸び盛りだった1990年代には、ライバルの革新的なテクノロジーの普及・発展を妨げる悪の帝国を率いる帝王ビル・ゲイツとして、いわれのない批判を浴びることもあったゲイツ氏だが、その質実剛健(見方によっては華やかさに欠ける)スタイルに、どこか無機質なものを感じた人も多かったのかもしれない。 しかし、90年代前半からテクノロジー業界を見続けてきた過去を振り返ってみると、ゲイツ氏ほど未来を見通していた人物はいない。同じ時代には故人となったスティーブ・ジョブズ氏をはじめ、大きな足跡を残した偉大な起業家がたくさん存在したが、未来を見通す力という意味ではダントツだと思う。 そんな