中国のファストファッションブランド「シーイン(SHEIN)」 は、同国のeコマースの巨人、アリババやタオバオ(淘宝)、JD.com(京東商城)のように誰もが知っているような企業ではないだろう。 だが、この謎に包まれたシーインはすでに、同国の小売業界の最も新しいデカコーン(評価額100億ドル以上の未上場企業)として、グローバルな急成長を遂げている。 2008年に創業、南京を拠点とする同社は、ターゲット層をZ世代に絞っている。インスタグラムやTikTokのインフルエンサーを通じて若者たちを引き付け、低価格の衣料品に大量に割引コードを提供している(仏銀行大手ソシエテ・ジェネラルによると、ザラで販売している同様の商品と比べ、価格ほぼ半額)。 それにもかかわらず、宣伝を嫌う同社は、10代の若者以外にはほとんど知られていない。ただ、不振にあえぐ英国のファッション小売大手、アルカディア・グループの買収に