女性の権利向上を支えてきたはずのファッション業界で女性の労働搾取が蔓延している──仏紙「ル・モンド」は、同紙に寄せられた書簡を掲載した。 欧州ではファスト・ファッション業界の体質改善を求めて署名運動が続いている。私たち日本人がふだん何気なく着ている服の多くも海外製。決して他人事ではないはずだ。 工場ですら働けない 1920年代にココ・シャネルが作り出した女性用パンツから1990年代と2020年代の「クロップ・トップ」に至るまで、ファッションは女性解放の一翼を担ってきた。 その服を作っている人たちは圧倒的多数が女性だが、彼女たちは不安定な雇用や貧困問題など著しく権利を侵害されている。彼女たちの給料では家族を養うことはできないし、子供を学校に通わせることもできない。彼女たちは法によってほとんど守られておらず、労働条件は過酷で危険である。この現実はどうすれば明るみに出るのか。 ファスト・ファッシ