自らの黒歴史として隠蔽したいもののひとつやふたつは誰にでもあるだろう。だがしかし、そいつを若気のいたりと恥じながら心の箪笥の奥底にしまいこんでみても、ひとたびその封印を解き、あのイントロを耳にしたり、あのページを捲ったりしたならば、若き日の青白くも熱い感情が即座に溢れ出すのを抑えきれないに違いない。たまにはそれを思い切ってカミングアウトして解き放ってみた方が清々しい気持ちになるのではなかろうか。今回はそういった「初期衝動」漫画のひとつを紹介してみたい。 『ZINGY(1)』 さて、これはパンクロックやそれをとりまくアンダーグラウンドな音楽に夢中だった田舎の中学生の私の昔話。当時、あまりの情報の少なさに飢えながら雑誌やテレビにもそういったパンク的刺激を求め続け、まぁ多少は違っていても目をつぶりちょっとでもパンク臭がするものならば即喰らいついたもんです。そんな時、あるバンド漫画が少年誌で連載開