メルツェルの発明したパンハルモニコン ベートーヴェンが自作で最高としたシンフォニー ベートーヴェンは、シンフォニー第7番の作曲を1812年5月頃にいったん終え、間をおかず第8番 ヘ長調の作曲にとりかかり、その年の年末までに完成させています。 その後、第7番にも細かい修正を加えて年明けに最終形に完成させていますので、この2曲はセットとして平行して創られたといってよいでしょう。 ちょうど、第5番〝運命〟と第6番『田園』と同じような兄弟作品です。 ベートーヴェンは、この第8番のあと、12年にわたってシンフォニーを作曲せず、最後の〝第九〟に至りますので、創作上いったんの区切りとなる作品です。 しかしながら、この〝第八〟は、9曲の中で一番影が薄い曲かもしれません。 演奏時間がおよそ30分と、古典派の古いシンフォニーの規模に戻っています。 さらに第3楽章が〝テンポ・ディ・メヌエット〟とされていて、ベー