フィンランドといえばムーミンか。いや、日本でブームが続くサウナだろうか。そんなステレオタイプの予想は覆された。日本に駐在する外交官に、お国自慢の「一品」を語ってもらう当コーナー。担当者の財布から取り出された1枚のカードがフィンランドのデジタル変革(DX)を象徴しているという。 東京都港区にあるフィンランド大使館で自慢の一品を紹介してくれたのは、報道や文化を担当するレーッタ・プロンタカネン参事官。取り出したカードは電子政府の象徴で、日本のマイナンバーカードに相当する。「フィンランドでは、あらゆる公共サービスがデジタル化されています」と話す。 このカードに記された識別番号には、社会保障、収入、税金、医療など生活に欠かせないあらゆる個人情報がひも付いている。すべての国民や永住者に付与されるこの番号があれば、…