ビジネスメール詐欺(BEC)の攻撃を仕掛ける場合、攻撃者は入念に下準備を行う傾向にあります。送金や機密情報の送信が認められている人物になりすますに当たり、メールは可能な限り正当なものに見えなければなりません。細部が肝心なのです。 先日我々が対応した中に、興味深い例がありました。とある企業の社員に送られた、連絡を促す内容のメールです。 —– (メール本文抄訳) 都合の良い時をお知らせいただけますか。お願いしたいことがあります。 今から会議なので、とりあえずこのメールに返信をお願いいたします。 よろしくお願いします。 ※送信者の名前 iPhoneから送信 —– BECのメールにしては、簡潔で味気ない内容です。攻撃者は、このメールを送った人物が会議中で、メール以外の連絡手段では対応できないということを明確にしています。こうして、メールの署名にあるとおりの人物から送られたメールなのかを確認するアク