「赤字決算に、なるべくしてなった」。 百貨店最大手・三越伊勢丹ホールディングス(HD)の経営状況について、同社の元幹部はこう嘆く。 【グラフ】三越伊勢丹の業績推移 2月決算が多い百貨店大手の中で、新型コロナウイルス感染拡大の影響をまともに受けたのが3月決算の三越伊勢丹HDだ。5月11日に発表される2020年3月期決算で、大手百貨店唯一の赤字が見込まれている。 ■3月の売り上げ急減で赤字に転落 ただ、赤字の理由は新型コロナの影響だけではないようだ。4月27日に発表された業績予想の下方修正によると、2020年3月期の売上高は1兆1190億円(前期比6.5%減)、当期純利益は110億円の赤字(前期実績は134億円の黒字)となる見込みだ。 期初は売上高1兆1900億円、140億円の最終黒字を見込んでいた。赤字転落は、地方店や高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」の店舗減損がかさんだ2018年3月期以来と