ファイル交換ソフト「ウィニー」を介しての情報流出が止まらない。 安倍官房長官は国民にウィニー使用自粛を訴えた。企業や役所は、社員や職員にウィニー禁止令を出したり、私用パソコンの職場持ち込みを禁止したりと、大わらわだ。 もっとも、パソコンやインターネットを使い慣れた若者は、「何を今さら」と笑っている。ウィニーによる情報流出の危険性は、すでに2年ほど前からネット世界の住人の間では常識だった。目端の利く若者は、とっくに別のファイル交換ソフトに乗り換えている。 問題は、ネットの仮想空間で今、何が起きているのかを知らない「大人」が多すぎることだ。ネット社会の一般常識に欠ける人が不用意にウィニーに近づいて火傷(やけど)をする。企業の管理職など、責任ある立場の人間がネットに疎いことも、組織としての対策が遅れ、流出被害を拡大させた一因だった。 大人が知らない間に、昨年もネット空間で大事件が起きていた。中国