2・28事件で犠牲になったと訴えている沖縄県・与那国島出身者の遺族ら。事件の追悼式に参列し、遺影を手にしながら献花する具志堅美智恵さん(手前左)と當間ちえみさん(同中央)=台湾・嘉義県太保市で2024年2月28日、鈴木玲子撮影 海岸近くに無縁仏の遺骨を納めた霊廟(れいびょう)がある。台湾北部・基隆市にある和平島。台湾の日本統治時代(1895~1945年)には社寮島と呼ばれ、500人規模の沖縄出身者らの集落があった。この廟はいつ来ても整頓されている。「若いころ、沖縄の漁師から漁の仕方を教えてもらった」という地元の林阿財さんらが清掃しているからだ。 戦後の台湾は中国大陸から渡った国民党政権が統治した。47年2月28日、台北市で政権への不満を爆発させたデモ隊に当局が発砲し、抗議行動は全土に拡大した。3月には鎮圧のため中国大陸からの援軍が基隆市から上陸し、全土で民衆を殺害。政権が民衆を弾圧した「2