観測船もスパコンも運用 JAMSTECが“世界屈指の研究機関”たる理由 JAMSTECは、海洋をはじめとする地球科学分野をリードする研究機関だ。研究対象は深海から極地、地球温暖化や気象などの地球表層、地震や火山などの地球内部まで多岐にわたる。同機構のミッションは、海の研究を通じて自然現象を理解して社会に貢献することだ。 海洋研究組織は世界各地にあるが、観測船による現地調査とスパコンによるシミュレーションを1つの機関で両立しているのは珍しい。「観測は現実を見るもので、スパコンは理論を追い求めるものです。それらを1つの組織で究められるのがJAMSTECの魅力であり、強みです」とJAMSTECの上原均氏は胸を張る。 JAMSTECの強みの一翼を担うのが地球シミュレータだ。地球科学の分野での研究だけでなく、ナノテクノロジーや流体力学、構造力学などの分野でも活躍している。特に台風や治水など自然災害の
NECは9月25日、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の「次期地球シミュレータ」(仮称)に、NECのベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を利用した大規模システムが採用されたと発表した。新たな地球シミュレータは処理能力が従来機の約15倍に向上し、環境問題の解決や地震発生メカニズム解明などが効率化できるという。2021年3月に運用を開始する。 地球シミュレータは地球規模のシミュレーション計算が可能なスーパーコンピュータ。地球環境や海洋資源、火山活動などの分野での研究開発に活用され、収集データの連携や数値解析を行う。 新たな地球シミュレータに搭載する「SX-Aurora TSUBASA B401-8」はカード型のベクトルエンジンを多数搭載した省電力なサーバ。気象予測や地球環境変動解析、AI活用などの分野で導入が進んでいる。 新システムは684台のS
ノーベル物理学賞の授賞式 今年、令和3年(2021年)のノーベル物理学賞が、アメリカ・プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎博士(90)に決まり、例年であれば、授賞式はノーベルの命日である12月10日にスウェーデン・ストックホルムのコンサートホールで行われるはずでした。 しかし、受賞式は、新型コロナウイルスの影響を考慮し、2年連続で受賞者が居住する国で行うことになりました。 真鍋叔郎博士は、12月7日(現地時間6日)にワシントンにある米科学アカデミーで、アメリカ在住の化学賞や経済学賞の受賞者と共に表彰されます。 真鍋淑郎博士が、大気中の二酸化炭素が増えると、地球温暖化が進むということを定量的に予測したのが、今から約60年前です。 真鍋淑郎博士は、対流圏の鉛直気温減率が1キロあたり6.5度とし、雲、オゾン、水蒸気、二酸化炭素の分布をあたえて、大気の鉛直気温分布を求めています。 そして、現実の大
最先端の半導体製造技術を盛り込んだプロセサ 次の図は地球シミュレータ(ES)のプロセサのブロック図である。ベクトルレジスタにビット列ベクトルの論理演算器、ベクトル論理演算器、ベクトル乗算演算器、ベクトル加減算演算器とベクトル除算演算器の合計6本のベクトル演算パイプが付き、ベクトルレジスタからデータを出し入れするロードストアユニットが付くという構成は、ベクトルスパコンとしては標準的な構成である。 ベクトルレジスタの長さは256要素で、72個のレジスタを持っている。そして、地球シミュレータのCPUはこのベクトル処理ユニットを8個持っている。 スカラ処理部は4Wayのスーパスカラで、64KBの命令キャッシュと64KBのデータキャッシュを持つ。汎用レジスタは128個である。 次の写真は、CPUチップのダイ写真である。写真のオーバレイに書かれているように8個のベクトルプロセサ(VPP)とスカラ演算を
NECは2020年9月25日、国立研究開発法人海洋研究開発機構から「次期地球シミュレータ(仮称)」を受注したと発表した。受注額は非公表。次期地球シミュレータは地球シミュレータとして4代目になる。 次期地球シミュレータはマルチアーキテクチャー型構成のシステムで、NECのベクトル型スーパーコンピューター「SX-Aurora TSUBASA B401-8」を684台使うほか、米AMDのプロセッサー「EPYC」や米NVIDIAのGPU「A100」などを組み合わせる。最大理論性能は現行の地球シミュレータの約15倍に相当し、倍精度で19.5ペタフロップス(フロップスは1秒間に処理できる浮動小数点演算回数)を見込む。消費電力は現行とほぼ同等という。 海洋研究開発機構は2021年3月から運用開始を目指す。2021年初めから外部への供用を目的とした公募は実施する。
ノード間信号ケーブルの敷設は人海戦術 地球シミュレータセンターの建物は一応3階建てであるが、普通の3階建てとは大きく異なっており、1階はシステムを空冷する空調機と電源供給部が占めている。 2階はフリーアクセスフロアである。この部分は、普通のコンピュータセンタの場合、機器の間を繋ぐケーブルを収容する部分で、30cm程度の高さのスペーサを置き、その上にコンピュータを設置するフロアとなるパネルを載せる。しかし、ESの場合、クロスバのケーブルが83,200本と膨大にあるので、このスペースの高さは170cm程度となっている。 ケーブルの厚みは最大で40cm程度であるが、このスペースは筐体を冷却する冷気の供給路ともなっており、さらに消防法の制約もあり、1.7mの高さとなっている。 この8万本あまりのケーブルの敷設も1本ずつ人手で行う必要があり、ピーク時70名が作業したという。それでも一日の敷設本数は1
NECが、4代目の地球シミュレータスーパーコンピュータを受注しました。19.5ペタフロップスを実現するシステムは2021年 3月に稼働開始が予定されています。 同システムは、NECのSX-Aurora TSUBASAベクトルプロセッサとNvidiaのA100Tensor Core GPUをベースとし 、Mellanox HDR 200Gb/s InfiniBandネットワークに接続されています。 地球をシミュレート海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、気候変動モデリング、海洋資源、地震、火山活動などの地球科学研究に、ES(Earth Simulator:地球シミュレータ)スーパーコンピュータを使用しています。 最初の地球シミュレータは、2002年に35.86テラフロップスを実現した世界最速のスーパーコンピュータとして発表されました。(ちなみに今日では、4基のA100 GPUでそれを実現可能
IT Leaders トップ > テクノロジー一覧 > サーバー > 事例ニュース > 「地球シミュレータ」の次世代機をNECに発注、SX-Aurora TSUBASA採用で19.5PFLOPS サーバー サーバー記事一覧へ [事例ニュース] 「地球シミュレータ」の次世代機をNECに発注、SX-Aurora TSUBASA採用で19.5PFLOPS 2020年9月25日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部) リスト 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、地球環境のシミュレーションに用いるスーパーコンピュータの次世代版「次期地球シミュレータ」をNECに発注した。新システムは、ベクトル型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」を利用する。2021年3月から運用を開始する。 海洋研究開発機構の地球シミュレータは、地球環境のシミュレーションに用いるスーパーコンピュータ
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 海洋研究開発機構は9月25日、仮称「次期地球シミュレータ」の概要を発表した。現行のベクトル計算機による単一アーキテクチャー構成からマルチアーキテクチャー型構成に変更し、2021年3月の運用開始を予定している。 新システムはNECが提案していたもので、AMDのEPYCプロセッサーをベースに、NECのSX-Aurora TSUBASAやNVIDIAのA100 Tensor コア GPUおよびMellanox HDR 200Gbs InfiniBand、データダイレクト・ネットワークスのオールフラッシュストレージ、日本ヒューレット・パッカードのHPE Apollo 2000 Gen10 Plus Systemなどを組み合わせる。 684台のS
JAMSTEC(国研 海洋研究開発機構)の新「地球シミュレータ」が富岳に数日先立ち、2021年3月1日に運用を開始した。 「地球シミュレータ」は初代が2002年に運用開始し、このたび運用を開始するのは第4代である。総理論演算性能は19.5PFLOPSで、先代の約15倍。AMD製CPUを搭載した計算ノード、NEC製VectorEngineを搭載した計算ノード、NVDIA製GPUを搭載した計算ノードで構成され、ノード数はそれぞれ、720、684、8である。Vector Engineを搭載したノードは、ノード当たり、8コア・メモリ48GBのVector Engineが8基、64コア・メモリ128GBのホストCPUで構成される(技術情報)。 富岳との関係はどうなんでしょう。 富岳の方は、ノードあたり、メモリが32GB。富岳がものすごく多いノード数でビッグデータを力技でねじ伏せるのに対して、新「地球
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