元ブラックロック・ジャパン最高投資責任者(CIO)の福島毅氏が率いる東京大学の寄付金運用基金は、株式や債券以外のオルタナティブ(代替)資産への投資に大きくかじを切った。中でも、銀行以外の主体が投資家から集めた資金を融資の形で貸し出す「プライベート・デット」投資を軸に、運用益の積み増しを狙う。 ブラックロックのCIOを約7年間務めた福島氏は2023年4月、東大のCIOに就任。東大は福島氏を迎えた同年1月から、基金の運用目標の引き上げと資産配分比率の見直しに踏み切った。オルタナティブ投資を従来の20%から60%へと大幅に引き上げる一方、円ベース債券の比率を引き下げた。 福島氏が運用に当たって注目するのが、代替資産投資の一つでもあるプライベート・デットだ。ブルームバーグの取材に応じた福島氏は「目標リターンを達成する上で必要な投資」とした上で、昨年4月に残高がゼロだったのを足元では約55億円まで増