ぼくはいま、人生の二周目を歩きはじめている。 一周目の人生は、前半は無我夢中、後半は不完全燃焼、という感じだった。 若い頃は視野も狭いし、情報も足りないので、あまり選択肢が見えなかった。 受験勉強をがんばるか、がんばらないか。 希望の企業に就職するか、しないか。 業界の中で評価されるか、されないか。 会社から大事にされるか、されないか。 そこで勝ち残れるように努力することが当たり前だった。 ところが年を取ってくると、どうも自分は勝てるときもあれば負けるときもあることがわかってくる。 もっといえば、どれだけ努力したところで、たくさんの競争相手がいる世界で勝ち続けることはできないし、負け続けてでもしがみつきたいと思えるものがあるわけでもない、ということがわかってくる。 努力は裏切らない、というけれども、それは、努力をしたぶんは何かしらの力がつく、という意味では正しい。 だけど、努力をしたからと