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山下裕毅の検索結果121 - 160 件 / 197件

  • 「超高純度のシリコン」の量子ビットを搭載した強力な量子コンピュータ 英国と豪州の研究者らが発表

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英マンチェスター大学とオーストラリアのメルボルン大学の研究者らが発表した論文「Highly 28Si enriched silicon by localised focused ion beam implantation」は、天然シリコンに含まれる不純物を取り除いた超高純度のシリコンを用い、信頼性の高い量子ビットを製造する方法を提案した研究報告である。 量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる特殊な量子状態を利用して計算を行う。量子ビットは、古典ビットとは異なり、0と1の状態を同時に取ることができるため、膨大な量の情報を並列に処理できる可能性がある。し

      「超高純度のシリコン」の量子ビットを搭載した強力な量子コンピュータ 英国と豪州の研究者らが発表
    • 自動運転車が検知できない“ステルスカー”は作れるか? 横浜国大が検証 肝は赤外線カットフィルム

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 横浜国立大学に所属する研究者らが発表した論文「LiDARベース物体検出を連続してすり抜ける『ステルスカー』は作れるか?」は、自動運転車から検知されない車両が作れるのかを検証した研究報告である。具体的には、赤外線カットフィルムを車両に貼り付け、自動運転車が周囲を検知するのに頻繁に使用しているLiDARを欺くことができるかどうかを検討している。 自動運転車は、LiDARやカメラ、レーザーなどの車載センサーから得たデータを基に周囲の環境を認識し、緊急ブレーキ機能や車線維持機能などを実現する。LiDARは特に、高精度に対象物の距離や形状を識別し、物

        自動運転車が検知できない“ステルスカー”は作れるか? 横浜国大が検証 肝は赤外線カットフィルム
      • 授乳中に母親の“スマホいじり”は本当にダメなのか? 大量のカメラとセンサーで神戸大学などが分析

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 実験では、生後4~8カ月の乳児とその母親5組(A~E)を対象に、授乳中のスマホ操作が乳児の行動にどのような変化を与えるのかを調査した。床に座った状態で授乳のみと、スマホ操作しながらの授乳とで比較して考察した。 母親の両手首には加速度・角速度センサーを、前腕部には筋電センサーを装着し、腕の動きや力の入れ具合をモニタリングする。また、座面センサーとモーションセンサー「Kinect」を用いて、母親の姿勢の変化も詳しく分析する。乳児の精神的要因を探るため、母親の正面と左右に3台のビデオカメラを設置

          授乳中に母親の“スマホいじり”は本当にダメなのか? 大量のカメラとセンサーで神戸大学などが分析
        • “マジックハンド”で家事用ロボットに動きを覚えさせるフレームワーク 米Metaなどが開発

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ニューヨーク大学と米Metaに所属する研究者らが発表した論文「On Bringing Robots Home」は、iPhone付きのマジックハンド(リーチャーグラバー)で家事用ロボットを容易に教育するフレームワークを提案する研究報告である。 この研究の目的は、さまざまな家庭で基本的な家庭用タスクを実行できるロボットを開発することである。これを実現するためには、現在のロボット工学の研究パラダイムの転換が必要であり、主に工業環境や研究室で行われている現行の研究では、物体、シーン、照明条件が厳密に管理されている。 しかし、家庭内でのロボットの性

            “マジックハンド”で家事用ロボットに動きを覚えさせるフレームワーク 米Metaなどが開発
          • 言語指示でWebサービスとやりとりするAI 香港大学などが開発 買い物、フォームに入力、SNS投稿など

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 香港大学などに所属する研究者らが発表した論文「OpenAgents: An Open Platform for Language Agents in the Wild」は、言語エージェントとのチャット対話を通じて、さまざまなWebサービスとやりとりできるオープンソース・フレームワークを提案した研究報告である。一般ユーザーは、プログラマー向けのコンソールやパッケージを使わずに、オンラインのWebインタフェースを通じてAIエージェントと対話できる。お試しはこちら。 大規模言語モデルの登場に伴い、言語を使用して多様なタスクを実行するエージェントが

              言語指示でWebサービスとやりとりするAI 香港大学などが開発 買い物、フォームに入力、SNS投稿など
            • 「はかなく美しい……」 シャボン膜を“凍結”させたスクリーン 北陸先端大の研究者らが開発

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 北陸先端科学技術大学院大学の佐藤俊樹研究室に所属する研究者らが発表した論文「シャボン膜凍結式全周囲スクリーンの提案」は、シャボン膜を凍結させたスクリーンを提案した研究報告である。この研究では、半球形状に凍結したシャボン膜スクリーンに下方からプロジェクターを用いて画像を投影する装置のプロトタイプを制作し、その検証を行っている。 システムは「シャボン膜生成機構」「シャボン膜冷却機構」「全周囲投影システム」の3つのユニットで構成。シャボン膜生成機構では、シャボン液に浸したひもを銅パイプで作った円形の基部に擦りつけて、初期状態の平面的なシャボン膜を

                「はかなく美しい……」 シャボン膜を“凍結”させたスクリーン 北陸先端大の研究者らが開発
              • PDF論文やプレゼン資料から「表3を説明して」「5~7ページを要約して」などの指示に回答 米Adobeなど「PDFTriage」開発

                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米スタンフォード大学と米Adobe Researchに所属する研究者らが発表した論文「PDFTriage: Question Answering over Long, Structured Documents」は、WebページやPDF論文、プレゼンテーション資料などの複雑な構造からなる特定のドキュメントに対するテキストプロントに適切に回答する、大規模言語モデル(LLM)向けの方法を提案した研究報告である。 現行の方法では、LLMが対応するコンテキスト数(トークン数)に制限があるため、長い文書から関連するコンテキストを取得する前処理が必要であ

                  PDF論文やプレゼン資料から「表3を説明して」「5~7ページを要約して」などの指示に回答 米Adobeなど「PDFTriage」開発
                • LLMから“有害”を引き出すアーケードゲーム「ハックマン」 AIに卑劣な言葉を吐かせたら勝ち

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 デンマークのコペンハーゲンIT大学とオールボー大学に所属する研究者らが発表した論文「Hacc-Man: An Arcade Game for Jailbreaking LLMs」は、大規模言語モデル(LLM)の脱獄(ジェイルブレーク)を体験できるアーケードゲームを提案した研究報告である。LLMに意図しない出力(悪意ある有害な情報や言葉など)を引き出させるゲームである。 「Hacc-Man」と呼ばれ、物理的なアーケード筐体として設置される他、オンラインでも誰でもプレイ可能。プレイヤーは6つの異なる「対戦相手」(チャレンジ)を選択できる。それぞれ

                    LLMから“有害”を引き出すアーケードゲーム「ハックマン」 AIに卑劣な言葉を吐かせたら勝ち
                  • パスワードの使い回しはNGで“ちょっと変えても”意味がない ではどうする?

                    「石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」。これは石川五右衛門の辞世の句だと言われています。砂浜の小さな粒を全て取り尽くしたとしても、世の中に泥棒がいなくなることはない、という意味です。 筆者はサイバーセキュリティで今起きている現象と重なる気がして、ふと上記の句を思い出しました。サイバーセキュリティで“尽きない”と言えば「パスワード」ネタです。というわけで今回もパスワードの話をピックアップしたいと思います。 パスワードをちょっと変えただけでは使い回しと大差ない 「ITmedia NEWS」で山下裕毅氏による「パスワードを“ちょっと変える”はどれくらい危ない? 「abc123」→「123abc」など 中国チームが発表」という記事が公開されました。 これはタイトル通り、パスワードを少し変えて使い回しを防止したとしても、攻撃側はそれを予測できてしまうという研究結果です。記事によ

                      パスワードの使い回しはNGで“ちょっと変えても”意味がない ではどうする?
                    • “女性主導の研究論文”は男性主導の論文より引用されにくい? 1億件の論文で調査

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この研究は、1950~2020年にかけて出版された約1億件の論文を分析し、日本、中国、韓国の研究者数の男女比、個々の研究者の研究キャリア、論文の引用・被引用における性差を検討している。 具体的には、1800万人以上の性別が割り当てられた研究者を対象に分析を行い、その中には中国の約38万人、日本の約126万人、韓国の約34万人、他国の約1600万人の研究者を含んでいる。 分析結果によると、日本、中国、韓国の女性研究者の比率は低く、日本では17.1%、中国では23.2%、韓国では12.9%となっている。 個々の研究者がキャリアを通じて発表した論

                        “女性主導の研究論文”は男性主導の論文より引用されにくい? 1億件の論文で調査
                      • “押し心地”が自動で変わるボタン キーボードやゲームコントローラーに応用 未来大が開発

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 押しボタンは、操作の明快さや設計上の利便性から、多様な家電製品や情報機器に広く使用されている。しかし、これまでの押しボタンは、おのおの固有の押し心地を持ち、これを柔軟に調整することは難しかった。 この研究では、既存の押しボタンと置き換え可能な、押し心地を動的に変えられるデバイスを提案している。これにより、使用者へのフィードバックをより繊細かつ多様に提供することが期待できる。例えば、機械操作において確かな操作感の提供や、キーボード使用時の誤入力の減少や疲労軽減など、使用シーンに応じて押し心地を調整することが有益である。 このデバイスは、操作部

                          “押し心地”が自動で変わるボタン キーボードやゲームコントローラーに応用 未来大が開発
                        • 盗聴を妨害しつつ指定したスマホだけ録音可能にするシステム 中国の研究者らが開発【研究紹介】

                          山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。 中国の浙江大学に所属する研究者らが発表した論文「Phoneme-Based Proactive Anti-Eavesdropping with Controlled Recording Privilege」は、盗聴を防ぎつつも、許可した録音機だけを録音可能にする盗聴妨害システムを提案した研究報告である。部屋にあるスマートフォンなどの録音機の中から、ひとつだけ(複数も可)を指定して録音可能にし、他のデバイスは録音不能にすることで、盗聴を防止しつつ、録音が行える技術である。 ▲指定した特定の録音機(緑色のマイクマーク)だけ録音を可能にし、他の録音機(赤色のマイクマーク)を録音不能にして盗聴を防止する。 keyboard_arro

                            盗聴を妨害しつつ指定したスマホだけ録音可能にするシステム 中国の研究者らが開発【研究紹介】
                          • GPT-4Vで“動画”を分析 米Microsoftが「MM-VID」発表

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoft Azure AIに所属する研究者らが発表した論文「MM-Vid: Advancing Video Understanding with GPT-4V(ision)」は、GPT-4で手書きの文字や図を読み取れるようになる技術「GPT-4V(ision)」を利用してビデオの内容を詳細なスクリプトに変換し、大規模言語モデル(LLM)に高度なビデオ理解能力を与えるという研究報告である。 長時間のビデオ、特に1時間以上のものを理解するのは、複数のエピソードにわたる画像や音声のシーケンスを分析する高度な手法が求められる複雑なタスク

                              GPT-4Vで“動画”を分析 米Microsoftが「MM-VID」発表
                            • 令和のピョン吉? 光る目が愛らしい、服を引っ張り動く衣服内ロボット 慶應大が開発

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 慶應義塾大学の杉浦裕太研究室に所属する研究者らが発表した論文「衣服を介した視覚・触覚提示可能な腹部装着型ウェアラブルロボットの提案」は、腹部に装着するウェアラブルロボットを使用し、衣服を介した視覚・触覚提示手法を提案する研究報告である。このロボットのデザインは、漫画「ど根性ガエル」に登場するキャラクター「ピョン吉」から着想を得ている。 このロボットは、ユーザーが腹部に装着し、その上から衣服を着用する。ロボットはLEDディスプレイを搭載しており、物理的な動きとLEDディスプレイからの透過光により視覚的な提示を行う。また、ロボットの動きにより衣

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                              • 肥満治療薬の仕組み なぜ一口食べる前から満腹を感じる? 「食前満腹感」を引き起こす脳の仕組みを解明

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 韓国のソウル大学校や米UT サウスウェスタン・メディカル・センターなどに所属する研究者らが発表した論文「GLP-1 increases preingestive satiation via hypothalamic circuits in mice and humans」は、肥満治療薬が食事を一口も口にしていないのに満腹感を引き起こす不思議な現象の背後にあるメカニズムを特定した研究報告である。 この研究は、論文著者が肥満治療のために「リラグルチド」を服用した際の経験がきっかけとなった。食べ物を見たり匂いを嗅いだりしただけで強い満腹感を覚えたのだ。 研究

                                  肥満治療薬の仕組み なぜ一口食べる前から満腹を感じる? 「食前満腹感」を引き起こす脳の仕組みを解明
                                • ドローンは“プロジェクターが映した人”を人間と間違える? 早稲田大などが調査 対策法も提案

                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 自動運転車やドローンなどの自律システムは、物体認識システムを用いて周囲の環境を認識し、適切な動作を行っている。しかし、この物体認識技術には「幻影攻撃」(Phantom Attack)と呼ばれる新たな脆弱性が存在する。 幻影攻撃とは、プロジェクターを使って人や車などの物体を模した映像を投影し、自律システムの物体認識機能に混乱を引き起こす攻撃手法である。攻撃者は、こうした映像を巧みに操作することで、実際の物体とそのプロジェクターで作られた幻影を区別できなくさせ、自律システムを欺き、意図した動作を行わせることができる。 例えば、歩行者を認識して停止する自動運

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                                  • GPT-4VでiPhoneの画面を操作するシステム 米Microsoftなどの研究者らが開発

                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 最近の研究では、スマートフォンのタスク自動化に着目している。方法の一つとして、画面画像をテキストで説明し、大規模言語モデル(LLM)で処理するアプローチがある。今回は、大規模マルチモーダルモデル(LMM)の効果を生かし、GPT-4Vを使用したゼロショットのスマートフォンGUIナビゲーションシステム「MM-Navigator」を提案する。 MM-Navigatorは、人間のユーザーと同様にスマートフォンの画面と対話し、与えられた指示を遂行するための次の行動を決定できる。 LMMを使用したGUIナビゲーションには、2つの主要な課題がある。これら

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                                    • 脳で“思う”→画像を生成するAI「PAM」 見ている画像の脳活動をもとに生成 オランダの研究者らが発表

                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 神経デコーディングは、脳の神経活動から知覚刺激の特徴を解読する技術であり、この分野の研究は大きく分類や識別、再構成の3つのアプローチに分けられる。 分類は、脳活動パターンを事前に定義したカテゴリーに振り分ける手法で、識別は被験者が見ている特定の画像を候補となる複数の刺激の中から特定する手法だ。再構成は、脳活動データから見ている画像を再生成する手法であり、最も複雑なアプローチで、脳活動から画像そのものを再現することを目指す。 この研究では、脳活動から画像を再構成するアプローチに挑戦する。実行するために、予測アテンション機構(PAM)と呼ばれる新

                                        脳で“思う”→画像を生成するAI「PAM」 見ている画像の脳活動をもとに生成 オランダの研究者らが発表
                                      • 「急速に増える“非英語論文”の検索に」──米Googleら、多言語間でも論文同士の関連性を計算できるモデル開発

                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Google ResearchとSizzle AIに所属する研究者らが発表した論文「OpenMSD: Towards Multilingual Scientific Documents Similarity Measurement」は、多言語に対応した科学論文の類似度を測定するモデルと、多言語で書かれた論文が大量に収録されるデータセットを提案した研究報告である。 研究者において、英語を母語としないことによる不利益がある。例えば、英語を母語とする人に比べ、英語を母語としない人は、英語での論文の読み書きやプレゼンテーションの準備に最大2倍の時

                                          「急速に増える“非英語論文”の検索に」──米Googleら、多言語間でも論文同士の関連性を計算できるモデル開発
                                        • 複数人の会話から特定の1人だけを音声識別する手法 米NVIDIA「CONF-TSASR」開発

                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 話者プロファイルと補助発話(ターゲット話者)が与えられた重複多話者環境において、「単一チャネル話者自動音声認識」という特定の話者の発話を書き起こすタスクがある。この研究では、エンド・ツー・エンドの単一チャネル話者自動音声認識「CONF-TSASR」を提案する。 このモデルは、TitaNetベースの話者埋め込みモジュール、Conformer(TransformerとCNNを組み合わせたモデル)ベースのMaskNet、ASRモジュールから構成される。TitaNetは目標話者の補助発話から話者埋め込みを抽出する。MaskNetはConformer

                                            複数人の会話から特定の1人だけを音声識別する手法 米NVIDIA「CONF-TSASR」開発
                                          • 空気中のミリ波で“血圧”を測り監視する手法 気が付かれず血圧測定 中国の研究者らが開発

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の北京郵電大学に所属する研究者らが発表した論文「airBP: Monitor Your Blood Pressure with Millimeter-Wave in the Air」は、ミリ波(mmWave)を用いた非接触での血圧測定方法を提案した研究報告である。この非接触の方法の利点は、ユーザーが仕事をしているときや、寝ているときでも、気が付かないまま血圧を測定できることだ。 ミリ波センシングは、高解像度のセンシング能力のため注目を集めている。ミリ波信号を人体から反射させて解析することで、人の動きや呼吸、心拍数などを非接触で測定できる

                                              空気中のミリ波で“血圧”を測り監視する手法 気が付かれず血圧測定 中国の研究者らが開発
                                            • 自分の文章がAIに学習されているか調べるツール 米国チームが開発

                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 LLMの訓練に用いられるデータの多くは非公開であり、その中には著作権で保護された文書や個人識別情報、ベンチマークのテストデータなど、問題を引き起こす可能性のあるテキストが含まれている場合がある。 過去の研究によれば、LLMが著作権で保護された書籍の一部を生成したり、個人のメールを生成したりしたことが示されている。これは元のコンテンツの作成者の法的権利を侵害し、プライバシーを侵す可能性がある。しかし、現時点では、どのような種類のデータがどれだけの割合で含まれているかを知る方法はない。 この研究では、どの事前学習データが使用されたか不明な状況で

                                                自分の文章がAIに学習されているか調べるツール 米国チームが開発
                                              • 「今日は風が騒がしいな……」──東大、袖がなびく装置を開発 強風に煽られている感覚を再現

                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 竜巻に関する災害防止教育や飛行体験を取り入れたエンターテインメントなどでは、全身に強い風を感じさせる必要がある。しかし、全身に強い風を送るためには、大きくて強力なファンが必要である。このようなファンはスペースを取り、多くのエネルギーを消費し、非常に強い風で物を吹き飛ばす危険がある。 そこで提案されているのが「WearSway」という小型で軽量なウェアラブル触覚デバイスである。WearSwayは、大型装置を使わずに強い風の触覚刺激を提供する方法として、衣服が風になびく現象を利用する。従来の風のディスプレイが直接肌に刺激を与えるのに対し、Wea

                                                  「今日は風が騒がしいな……」──東大、袖がなびく装置を開発 強風に煽られている感覚を再現
                                                • “壁越しのスマホカメラ”を乗っ取り、映像を盗み見る攻撃 米中の研究者らが開発

                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ミシガン大学や中国の浙江大学、米ノースイースタン大学に所属する研究者らが発表した論文「EM Eye: Characterizing Electromagnetic Side-channel Eavesdropping on Embedded Cameras」は、壁越しのカメラに映る映像をリアルタイムに盗聴するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。この攻撃は、ラップトップやスマートフォン内蔵のカメラ、家庭用セキュリティカメラ、ダッシュカムなど、最新のほとんどのカメラをターゲットに含む。

                                                    “壁越しのスマホカメラ”を乗っ取り、映像を盗み見る攻撃 米中の研究者らが開発
                                                  • 国歌のテンポが遅いと平和……でも自殺率が高く幸福度が低い? バングラデシュの研究者らが調査

                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 バングラデシュのDept. of CSE BRAC Universityなどに所属する研究者らが発表した論文「Analyzing Musical Characteristics of National Anthems in Relation to Global Indices」は、国歌の音楽的特徴が国民の心理や行動パターンに与える影響について調査したものだ。 国歌は、国民が幼少期から最も頻繁に聴く曲であり、人々の心理的特性を永続的に形作る可能性がある。そこで、研究者らは169カ国の国歌のMIDIデータを収集し「Music21」と「pretty-midi

                                                      国歌のテンポが遅いと平和……でも自殺率が高く幸福度が低い? バングラデシュの研究者らが調査
                                                    • 小学校の「端末パスワード問題」どう考える? 児童が被害/加害者になる可能性も 指紋認証は代替え案になるか

                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 広島市立大学大学院情報科学研究科に所属する研究者らが発表した論文「学校を対象とした FIDOによるパスワードレス認証の運用可能性の検討」は、小学校で普及している端末のパスワード問題を取り上げ、代替案として学校向けのパスワードを用いない指紋ベースのFIDO認証適用の可能生と課題について調査した研究報告である。 近年、日本の学校ではインターネットとコンピュータ技術の導入が進み、その重要性が高まっている。この背景には、2020年から小学校でのプログラミング教育が必須化したことと、GIGAスクール構想によるタブレットやPCの普及がある。これに基づき

                                                        小学校の「端末パスワード問題」どう考える? 児童が被害/加害者になる可能性も 指紋認証は代替え案になるか
                                                      • 壁越しで“部屋の中の声”を盗聴する攻撃 屋内のモノから声の振動をミリ波で検知 米研究者らが開発

                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ラトガース大学に所属する研究者らが発表した論文「Privacy Leakage via Speech-induced Vibrations on Room Objects through Remote Sensing based on Phased-MIMO」は、人間の話す声によって引き起こされる微細な振動を、部屋の中の物体(例えば、紙袋やプラスチック製の収納ボックスなど)からミリ波(mmWave)デバイスで検出して声を復元する盗聴攻撃を提案した研究報告である。この攻撃は、長距離や壁越しでも盗聴できる利点を持つ。 個人情報や企業の機密情報

                                                          壁越しで“部屋の中の声”を盗聴する攻撃 屋内のモノから声の振動をミリ波で検知 米研究者らが開発
                                                        • 「すずめの戸締まり」に登場の“3本脚の椅子”を再現したロボット 東大が開発 歩行し倒れても起き上がる

                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 東京大学情報システム工学研究室に所属する研究者らが発表した論文「Body Design and Gait Generation of Chair-Type Asymmetrical Tripedal Low-rigidity Robot」は、新海誠監督のアニメ映画「すずめの戸締まり」に登場する3本脚の椅子のキャラクターをモチーフにした非対称3脚低剛性ロボットを開発した研究報告である。歩行するだけでなく、3本脚なのに倒れても自分で起き上がれるのが特徴だ。 このロボットは、本来4本脚の椅子から1本脚がなくなったことで、体に対して非対称で不完全な脚

                                                            「すずめの戸締まり」に登場の“3本脚の椅子”を再現したロボット 東大が開発 歩行し倒れても起き上がる
                                                          • AirPodsで脳信号を記録──イヤフォンに貼るセンサーを米研究者らが開発 ストレスや集中度を監視

                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カリフォルニア大学サンディエゴ校に所属する研究者らが発表した論文「In-ear integrated sensor array for the continuous monitoring of brain activity and of lactate in sweat」は、脳活動と運動レベルをイヤフォンで連続的に記録するための柔軟なスクリーン印刷センサーに関する研究報告である。スクリーン印刷された柔軟なセンサーで記録される脳波(EEG)信号と汗中の乳酸データは、健康モニタリングや神経変性疾患の診断に活用可能である。

                                                              AirPodsで脳信号を記録──イヤフォンに貼るセンサーを米研究者らが開発 ストレスや集中度を監視
                                                            • 「プログラム可能」な新DNA編集技術 東大などが発表 さまざまな2つのDNAを切って組み換え

                                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 東京大学先端科学技術研究センターの西増弘志教授らのグループとアーク研究所のパトリック・スー博士らのグループによる共同研究チームが、大腸菌の中にDNAを組み換えできる能力を持つ分子システムを発見したと発表した。この研究成果は6月26日、科学誌「Nature」に2報同時掲載された。 研究チームは、大腸菌のゲノムに存在する「IS621転移因子」が2つの重要な要素を産生することを明らかにした。1つは「IS621リコンビナーゼ」と呼ばれるタンパク質性の酵素であり、もう1つは「ブリッジRNA」と名付けられた非コードRNAである。これらの分子が協力して働くことで、D

                                                                「プログラム可能」な新DNA編集技術 東大などが発表 さまざまな2つのDNAを切って組み換え
                                                              • テスラ車の有料機能を“タダ”で使うサイバー攻撃 ドイツの研究者らが発表

                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 ドイツのベルリン工科大学などに所属する研究者らが発表した「Jailbreaking an Electric Vehicle in 2023 or What It Means to Hotwire Tesla’s x86-Based Seat Heater」は、テスラ(Tesla)をハッキングし、有料機能をアンロックするなどの攻撃が行える脆弱性を提案した研究報告である。 テスラは、タッチスクリーンやナビゲーション、エンターテインメント・システムを制御する「MCU」(Media Control Unit)という基盤を搭載している。今回はこのMC

                                                                  テスラ車の有料機能を“タダ”で使うサイバー攻撃 ドイツの研究者らが発表
                                                                • 女性ホルモンを常に計測する“指輪” 排卵や月経を正確予測 米カリフォルニア工科大学が開発

                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カリフォルニア工科大学に所属する研究者らが発表した論文「A wearable aptamer nanobiosensor for non-invasive female hormone monitoring」は、女性ホルモンを検出する薄くて小型な汗センサーを提案した研究報告である。このセンサーを利用すると、汗からの成分分析により、排卵や月経を正確に予測できるという。 「エストロゲン」として知られる性ホルモンは、女性の健康や生殖に関する多方面での重要な役割を持つ。体内のエストロゲン濃度が高い場合、乳がんや卵巣がんのリスクが高まると指摘されて

                                                                    女性ホルモンを常に計測する“指輪” 排卵や月経を正確予測 米カリフォルニア工科大学が開発
                                                                  • “目に見えないタグ”を物に埋め込み、追跡できる技術 米MITの研究者らが開発

                                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米MIT CSAILなどの研究者らが発表した論文「BrightMarker: 3D Printed Fluorescent Markers for Object Tracking」は、目には見えないタグを物に埋め込み追跡できるシステムを提案した研究報告である。「BrightMarker」と呼ぶこのシステムは、さまざまなオブジェクトの色に埋め込めて、材料の蛍光特性に一致する光源とカメラフィルターを使用して簡単に位置を特定できる。 この新しい手法は、3Dプリントするカラーオブジェクトに蛍光フィラメントを用い、追跡可能なマーカーを埋め込む製造方法

                                                                      “目に見えないタグ”を物に埋め込み、追跡できる技術 米MITの研究者らが開発
                                                                    • 後ろからスマホをのぞかれた時だけ“画面がぼやける”システム 米研究者らが開発

                                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ミシガン大学に所属する研究者らが発表した論文「EYE-SHIELD: Real-Time Protection of Mobile Device Screen Information from Shoulder Surfing」は、後ろからスマートフォンをのぞき見られる行為を防止するためのシステムを提案した研究報告である。使用するユーザーには通常の画面が表示されるが、背中越しに見られた場合にのみぼやけて表示される。 スマートフォンなどのモバイル機器を操作中のユーザーの近くに寄り、後ろからユーザーの画面をのぞき見することで機密性の高いパスコ

                                                                        後ろからスマホをのぞかれた時だけ“画面がぼやける”システム 米研究者らが開発
                                                                      • 「話し声と足音だけ抜き出して」など、複雑な言語指示で音を分離できるモデル 英国チームが開発

                                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 英サリー大学とByteDanceに所属する研究者らが発表した論文「Separate Anything You Describe」は、自然言語で指示された通りに音を分離するモデルを提案する研究である。 特定の楽器を抜き出すといった従来の音分離とは異なり、例えば「犬の鳴き声と女性の話し声(だけを抜き出して)」などの細かい指示や、「足音の擦れる音がし、その後ドアが軋み、成人男性が話し、またドアが軋み、音を立ててドアが閉まる(一連の音を抜き出して)」のような具体的で複雑な指示まで、幅広い音の分離を可能にする。 「Language-queried A

                                                                          「話し声と足音だけ抜き出して」など、複雑な言語指示で音を分離できるモデル 英国チームが開発
                                                                        • 独特な「請求書」「領収書」などの文書を理解する言語モデル「DocLLM」 JPモルガンが開発

                                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米JPMorgan AI Researchに所属する研究者らが発表した論文「DocLLM: A layout-aware generative language model for multimodal document understanding」は、複雑なレイアウトを持つ文書(請求書、領収書、契約書、注文書、フォームなど)の自動解析を行う大規模言語モデル(LLM)を提案した研究報告である。 これらの文書は複雑なレイアウト、テンプレート、フォーマットなどにおいて多様性を示している。文書AI(DocAI)は、情報抽出、分類、質問応答など多岐

                                                                            独特な「請求書」「領収書」などの文書を理解する言語モデル「DocLLM」 JPモルガンが開発
                                                                          • 君には見えるか? “錯視画像”を作り出す生成AI 「遠近で変わる絵」「白黒と色付きで変わる絵」など

                                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米ミシガン大学に所属する研究者らが発表した論文「Factorized Diffusion: Perceptual Illusions by Noise Decomposition」は、人間の知覚に錯覚を引き起こすような画像を生成する手法を提案した研究報告である。 この手法の特徴は、画像を複数の成分に分解し、それぞれの成分を異なるテキストプロンプトで制御できる点にある。例えば、画像をガウシアンフィルター(画像のノイズを軽減するために使う画像処理フィルター)によって低周波成分と高周波成分に分解し、低周波成分には「人物の写真」、高周波成分には「動物

                                                                              君には見えるか? “錯視画像”を作り出す生成AI 「遠近で変わる絵」「白黒と色付きで変わる絵」など
                                                                            • 豚の体内で“人間の臓器”の成長に成功 中国の研究者らが発表 移植用臓器不足の軽減を目指す

                                                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国科学院などに所属する研究者らが発表した論文「Generation of a humanized mesonephros in pigs from induced pluripotent stem cells via embryo complementation」は、移植用の人間の臓器を豚の体内で育成することに成功した研究報告である。正確には、50%以上がヒト細胞で構成された初期の腎臓構造を豚の胚中で最大28日間培養できたという。将来的には、人間以外の動物で培養した人の臓器を人間に移植する未来を目指す。 世界中には腎臓移植を待つ患者が大勢

                                                                                豚の体内で“人間の臓器”の成長に成功 中国の研究者らが発表 移植用臓器不足の軽減を目指す
                                                                              • “不自然さのない”アイコラ画像を数枚の顔写真から生成するAI 韓国チームが開発

                                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 韓国のKAISTなどに所属する研究者らが発表した論文「MagiCapture: High-Resolution Multi-Concept Portrait Customization」は、複数枚の顔写真から参照スタイルに応じた合成ポートレード写真を高品質に生成するシステムを提案した研究報告である。 MagiCaptureを使用することで、数枚のセルフィーから証明写真やプロフィール写真のような特定のスタイルの高品質な画像を生成できるだけでなく、任意の人の顔を使ってさまざまなスタイルの合成画像も作成できる。 大規模言語モデルを用いて、トレーニ

                                                                                  “不自然さのない”アイコラ画像を数枚の顔写真から生成するAI 韓国チームが開発
                                                                                • 好みのチャットbotを短い文章で作れるツール「Prompt2Model」 米カーネギーメロン大などが開発

                                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カーネギーメロン大学や中国の清華大学に所属する研究者らが発表した論文「Prompt2Model: Generating Deployable Models from Natural Language Instructions」は、短い文章(プロンプト)だけから、自然言語処理(NLP)モデルを自動で作り出すフレームワークを提案した研究報告である。 従来、NLPモデルの構築は非常に煩雑な作業であった。それは、対象とする課題(タスク)を定義し、適切なデータを収集し、モデルのアーキテクチャを選定し、訓練や評価を行い、実世界で使用できるようにデプロ

                                                                                    好みのチャットbotを短い文章で作れるツール「Prompt2Model」 米カーネギーメロン大などが開発