所得格差の拡大など、資本主義のもとで生まれている問題に批判の声が高まっている。この危機にどう向き合うべきか。理論研究の第一人者である国際基督教大学の岩井克人特別招聘教授は、自由放任で株主主権的な資本主義は理論的に誤りで、公共性と倫理の必要性を確認しなければならないと強調する。 岩井克人氏(いわい・かつひと) 1969年東京大学経済学部卒。72年米マサチューセッツ工科大学経済学博士。東大教授などを経て、17年4月から現職。日本学士院会員、東大名誉教授、東京財団政策研究所名誉研究員。07年紫綬褒章、16年文化功労者。不均衡動学、貨幣論、資本主義論、法人論などで知られる。