南伊豆町に建設が進められてきた民間の海洋研究拠点がこのほどオープンした。目玉は定年退官した元大学教授らにラボと高性能な調査機器を無償で貸し出すユニークな取り組み。サクラエビ再生のためのアクションプラン作成を目指す研究者グループとのコラボも視野に入れる。 拠点は水中音響システム科学研究所(LUASS)で水中文化遺産研究所も併設する。 開設したのは下田市の海洋調査会社ウインディーネットワーク(杉本憲一社長)。熱水鉱床も探査可能なAUV(自律型水中ロボット)や、水深3千メートルで360度全方位を高画質撮影できる動画カメラなど「リクエストに応じマルチに対応できる器材をそろえた」(杉本社長)という。 同社は器材を運用するエンジニアを地元出身者を中心に雇用している。研究環境のない元大学教授らとの連携は社員の練度アップを目指す意味もある。 元大学教授らには一定期間個室のラボを使ってもらい、月10万円程度